今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
今、世界的に注目されているフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領。特に、2016年6月に大統領に就任してから、彼の「暴言」が大きなニュースになることが増えている。
例えば、歴史的にもフィリピンと関係の深い同盟国の米国に対しては、最近の中国訪問時に「決別を表明する」と語ったり(のちに釈明)、その前にも麻薬撲滅に向けて容赦なく(また裁判も経ず)、麻薬に関係したと思われる人たちを次々殺害していることに対して、バラク・オバマ米大統領から批判を受けると、オバマを「ふざけやがって、呪ってやる(日本では「売春婦」と訳されているが正しくないと指摘されている)」と呼んだりもした(のちに撤回)。また在フィリピン米大使を「ゲイの大使」と呼ぶなど、大統領とは思えない言い草である。
そんなドゥテルテ大統領が、10月25日に来日する。日本でも「暴言大統領」などと呼ばれてその言動がメディアで大きく報じられているが、来日でどんな言動を見せるのかが注目されている。ただ安倍晋三首相とは9月にも会談しており、ある外務省関係者は「ドゥテルテが首相を口撃することはないだろう」と語る
とにかく世界からとんだトラブルメーカーと否定的に見られているドゥテルテだが、国内では人気が高い。10月に入って大統領就任から初めての支持率が発表されたが、それによると、国民の86%がドゥテルテを支持していることが分かった。
彼が高い支持率を維持できているのは麻薬撲滅への政策が評価されていることもあるが、実はそれだけでないようだ。少し別の角度から大統領を調べてみると、彼が政治家として国民から支持を得ている意外な顔が見えてくる。
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