近い将来、チャットボットは“ビジネスインフラ”になるかもしれない――。筆者は2016年10月末にベンチャー企業やベンチャーキャピタルを取材する目的でシリコンバレーを訪れた。数社を取材し、イベントやパーティーなどで数十人と情報交換して驚いたことは、取材したほぼ全社と情報交換した人の多くが、チャットボットを開発しているということだ。
チャットボットに対する米国内の熱気を感じてはいたが、実際にシリコンバレーで会う人の多くがチャットボットの話をし始めたときは正直驚きを隠せなかった。そこまで盛り上がっているとも思っていなかった。
まだ日本ではそれほどではないが、米国のチャットボットのブームはいずれ日本にも押し寄せてくるだろう。シリコンバレーを取材してみて、その思いは確信に変わった。
シリコンバレーはチャットボット一色だったが、決して日本のトップ企業が出遅れているわけではない。日本で最初に成果を挙げたチャットボット「パン田一郎」を開発したリクルートは、米国にAI研究所を開設していて、チャットボットの研究開発を進めている。今回の米国取材でも同研究所を訪問してきたのだが、「ジョイボット」という開発コード名で、ユーザーの秘書的な役割をするAIを研究開発中とのこと。
チャットのプラットフォームと言えば、日本ではLINEが圧倒的な強さを誇っている。当然、LINEもチャットボットには積極的に取り組んでいる。2016年春にコールセンター業務大手のトランスコスモスとチャットボットの專門会社を共同で設立している。LINEのクライアント企業にチャットボットの技術を提供し、チャットボットを1つの大きな収入源にしようという考えのようだ。
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