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» 2017年01月17日 08時00分 公開

スピン経済の歩き方:反対運動の日当は、なぜ「2万円」だったのか (4/5)

[窪田順生,ITmedia]

救いの神のように「A氏」が現れた!?

 さらに気になるのは、「A氏」が大高氏の取材に応じてからほどなくして2014年8月、辺野古の新基地建設着工の際、実際に「2万円」などの日当をもらう住民が現れたことだ。

 『辺野古沖には海上保安庁や警備会社の船のほかに、警備会社がチャーターした警戒船が出ている。業務は原則、午前8時〜午後5時。船長には日当5万円、同乗する警戒員には2万円が支給されている』(沖縄タイムス 2016年7月2日)

 辺野古沖というと、カヌーに乗った反対派のみなさんと、海上保安庁の巡視船が火花を散らしているイメージを抱く方も多いだろうが、実はそこには「警戒船業務」を「日当」で請負う地元の漁業関係者もいるのだ。『沖縄タイムス』によると、1人で月に15回警戒船業務に出た船長もいるという。つまり、月75万円の収入だ。あまりにおいしい日当がゆえ、「あっち(警戒船業務)がメインの人が多い」という地元漁師の証言もある。この費用に、2年間で5億円以上の税金が投入されたという。

 話を整理しよう。

 沖縄防衛局が基地反対運動の説得工作や漁協に対して「日当」を支払うことが地元メディアの取材で明らかになった。タイミングとしては、漁業関係者に「警戒船業務」として「2万円」や「5万円」の「日当」を払う準備を進めているときだ。全国区のマスコミに火がつけば、「札束をバラまいて住民を懐柔しているのか」と場合によっては基地反対運動も一気に活気づく。防衛局や基地推進派からすれば絶対絶命のピンチだ。

 そんなとき、まるで救いの神のように現れたのが、日当2万円と弁当付きで、基地反対集会や座り込み運動のバイトをしているという「A氏」だ。「偶然」にしては、できすぎではないか。

 選挙になると、いまだに怪文書やネットの誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)などの「紙爆弾」が飛ぶ交うことからも分かるように、自分たちの悪い評判を覆い隠すのに最も効果的なのは、敵対する者たちの悪い評判を流すことだ。

 「反対派は日当をもらっている」という風説が流れたら、防衛局や基地推進派からすれば基地反対運動の評判が地に堕ちるだけでなく、自分たちの「日当」問題からも世間の目をそらすことができる。まさしく一石二鳥だ。

 また、これならばなぜ反対派がもらっているという「日当」が相場とかけ離れた「2万円」になったのかも説明がつく。

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