日本ではあまり馴染みがないが、海外では政治家や企業が自分に有利な情報操作を行うことを「スピンコントロール」と呼ぶ。企業戦略には実はこの「スピン」という視点が欠かすことができない。
「情報操作」というと日本ではネガティブなイメージが強いが、ビジネスにおいて自社の商品やサービスの優位性を顧客や社会に伝えるのは当然だ。裏を返せばヒットしている商品や成功している企業は「スピン」がうまく機能をしている、と言えるのかもしれない。
そこで、本連載では私たちが普段何気なく接している経済情報、企業のプロモーション、PRにいったいどのような狙いがあり、緻密な戦略があるのかという「スピン」に迫っていきたい。
少し前、「日本の未来」について考えさせられる調査結果が公表された。
長年にわたってED(勃起不全)が日本人に及ぼす影響を考察しているバイエル薬品によると、自分がED だと思うと回答した男性のうち7割の方が、「自信がなくなったことがある」と回答しているのだ。
そりゃ週刊誌で毎週のように「死ぬまでセックス」なんて特集を組むように、「性」は男の根幹をなす要素なんだから当然の結果だろ、という声が聞こえてきそうだが、ここで言う「自信」はその方面だけではない。
男性としての自信(33.0%)、女性へのコミュニケーション(14.8%)、日常生活(13.6%)、仕事(4.5%)など多岐にわたっているというのだ。
これはかなりマズい。
というのも、実はED男性は世の人々が思うより遥かに多く存在しているからだ。『日本においては成人男性の24%、50-60代では2人に1人がEDであるといわれており、人口の高齢化によって今後さらに有病者数が増えることが想定』(ED(勃起障害)に関する現代人の意識調査2016年版)されており、潜在患者数が1130万人なんて推計もある。
つまり、これは裏を返すと、日本社会には「自信のない男たち」が溢れかえっているということだ。
実際にそれを示すようなデータもある。「平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」によると、日本の若者は、「自分自身に満足している」「自分の考えをはっきりと相手に伝えられる」などの質問で、韓国、米国、英国、ドイツ、フランスなどの若者と比較をして、断トツにネガティブな答えが多かった。「奥ゆかしい」というレベルではなく、圧倒的に「自信がない」のである。
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