マツダ、営業益下方修正 日米の販売減響く 17年3月期地域で明暗分かれる

» 2017年02月02日 19時36分 公開
[加納由希絵ITmedia]

 マツダは2月2日、2017年3月期の連結営業利益が前期比42.7%減の1300億円になる見通しだと発表した。16年11月に公表した業績予想を200億円下方修正。北米や日本における販売台数の減少が響いた。

photo マツダは2017年3月期の連結営業利益予想を下方修正

日本、北米で販売減

 17年3月期の業績予想は、売上高が6.1%減の3兆2000億円、経常利益が39.6%減の1350億円、純利益が33.0%減の900億円。売上高は上方修正したが、利益はいずれも従来予想を下回る見通しだ。

 営業利益予想を減らした要因は、日本や北米における販売台数の落ち込み。為替が円安基調にあることで180億円の利益改善効果を見込むが、販売台数減少や品質対応費用の増加による影響が上回る見通しだ。

photo 2月2日に日本で発売したSUV「CX-5」

中国は大幅増

 16年4〜12月期の世界販売台数は前年同期比1.5%増の116万2000台で過去最高を更新。好調な中国市場が全体をけん引した。中国の販売台数は28.7%増の22万7000台。16年6月に投入した新型「CX-4」が高評価で、計画を上回る販売を続けている。小型車減税政策の効果で「Mazda3」も好調だった。

 一方、日本は19.0%減の13万2000台と大きく落ち込んだ。新商品投入が少なかったことに加え、ディーゼルエンジン専用の「CX-3」の商品改良モデルなどが伸び悩んだ。北米も4.2%減の33万1000台。クロスオーバー系車種は好調だったが、セダンなどの乗用車の販売競争に対応できなかった。

 通期の世界販売台数の見通しは、前期比1.1%増の155万台で据え置いた。日本と北米は下方修正、中国は上方修正した。苦戦している日本市場では、2月2日に発売したばかりの新型「CX-5」や16年12月に発売した「ロードスターRF」が好調。巻き返しを狙う。米国では、販売店に対するインセンティブ(販売奨励金)が業界平均を2000ドル程度下回る状態にあることから、「相対的に競合他社から離れすぎないように是正していく」(丸本明副社長)ことで、販売競争力を高める。

 同日発表した16年4〜12月期の売上高は前年同期比7.8%減の2兆3486億円、営業利益は41.2%減の1019億円、経常利益は31.4%減の1179億円、純利益は35.3%減の799億円だった。

photo 2016年4〜12月期連結決算を発表したマツダの丸本副社長

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