ホンダ、業績予想を上方修正 コスト低減効果 17年3月期新型車も好調

» 2017年02月03日 19時21分 公開
[加納由希絵ITmedia]

 ホンダは2月3日、2017年3月期の連結営業利益が前期比55.9%増の7850億円になる見通しだと発表した。16年10月に公表した業績予想を1350億円上方修正。為替変動に加え、コストダウン効果や販管費の減少を織り込んだ。

photo 16年12月に米国で発売した新型「CR-V」

業績予想を上方修正

 17年3月期の連結業績予想(IFRS、国際会計基準)は、売上高が5.5%減の13兆8000億円、純利益は58.2%増の5450億円。いずれも従来予想を上方修正した。

 16年3月期と比べると、販売台数は増加を見込むが、円高による影響で減収の見通し。一方、コストダウン効果や品質関連費用の減少などにより、増益となる見込みだ。

 従来の業績予想と比べると、2輪を中心に販売台数を下方修正したものの、為替が想定より円安基調にあることから710億円の利益を上積みした。また、コストダウンによる収益性の向上がさらに進むと見ている。

日本、北米、中国で販売好調

 グループ全体の販売台数の見通しは、2輪が3.8%増の1770万台。従来予想を下方修正した。インドで高額紙幣が廃止された影響により、販売が想定よりも伸び悩んでいる。

 一方、4輪は5.5%増の500万5000台と上方修正した。日本では16年9月に発売した新型「フリード」、北米では新型「シビック」や「CR-V」が好調。中国では「X-RV」など、「地域のお客さまに向けて開発した専用車が受け入れられている」(倉石誠司副社長)。

 業績が回復基調にある要因は、販売台数の増加に加え、効率化などの効果もある。大きな課題としていた工場の稼働率は、9割以上まで回復。また、収益性が高いモデルの開発や部品の共有化など、日々のコスト低減活動の効果も出ているという。

photo 16年4〜12月期決算を発表するホンダの倉石副社長

米国市場の見通しは

 今後の見通しが不透明な米国市場については、「来期は多少下り坂に向かう」(倉石副社長)懸念はあるものの、過去最高の販売台数を見込む今期に近い販売を続けたい考え。ライトトラックなど大型車の販売比率が高まる傾向にあることから、対応を急ぐ。

 トランプ政権誕生で注目が集まる米国やメキシコへの投資については、「北米では現地で車を作って売ることがポリシー。それは昔から変わらない。今は状況を静観したい」(倉石副社長)という言及にとどめた。

 同日発表した16年4〜12月期の連結業績は、売上高が前年同期比6.5%減の10兆2357億円、営業利益が23.9%増の7026億円、純利益が18.9%増の5206億円。グループ全体の販売台数は、2輪が4.1%増の1341万3000台、4輪が6.5%増の374万3000台だった。

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