ただ何と言っても、最大の特徴は価格が安いことだ。これは同社の伝統というべきもので、母親から店を引き継いだ当初から、自分たちを「世界初のディスカウントストア」と主張していたくらい、価格の安さにはこだわりがある。
価格を下げられる理由は、店舗内で取り扱う商品の大半が、アルディのプライベート(自社)ブランドだからだ。約90%の商品がプライベートブランド商品のため、低価格を維持することができるというわけだ(ちなみに、ウォルマートではさまざまなブランドを取り扱っているため、プライベートブランドの割合は30%ほど)。
また、競合店の特売に対抗して、価格を臨機応変に変更することもある。低価格をウリにしているため、消費者からのその期待を裏切らないように対応している。
このような企業努力により、アルディの商品価格は競合他社と比べると、20%以上も安くなっている。さらに、クーポンや会員制ポイントカードなどを使用しなくても、いつでも安いというシンプルさが支持されている。
とはいえ、プライベートブランド商品が9割も占めているスーパーマーケットというのは、少し想像しにくいかもしれない。価格重視だとはいえ、自社の製品ばかりで、実際に消費者をひきつけることができるのだろうか。
米国で人気が高い「Trader Joe's(トレーダージョーズ)」というスーパーマーケットを聞いたことがあるだろうか。実は、トレーダージョーズを運営しているのが、アルディだということはあまりしられていない。
トレーダージョーズは、プライベートブランド商品をうまく使い、オーガニックフードや多国籍の食材、さらにはワインなどを低価格で販売している。そのため、米国でかなり人気の高いスーパーとして、消費者ランキングでトップの常連なのだ。
つまり、プライベートブランド商品といっても、以前よりはパッケージが魅力的になっており、消費者にも受け入れられている。またオシャレなお店として海外からの旅行者にも人気になっている。
トレーダージョーズと比べると、アルディは少し地味かもしれないが、合理的に節約したい消費者には魅力的なストアなのは間違いない。
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