こうした従来の店舗集客に加え、新たに始めるのが宅配だ。
スシローは6月5日、フードデリバリーサービス「Uber EATS」を使い、東京都内の都心型2店舗、南池袋店と五反田店で宅配を開始した。狙うのは、都心の1人暮らし層やオフィスでの需要。初日には20件近いオーダーが入ったといい、「都心での宅配すしのニーズはある」と自信を見せる。
7月からは東京・世田谷の店舗でも「楽びん!」経由で出前を開始し、あまりスシローに来ていないファミリー層をターゲットにする。外部の宅配サービスを活用するため、人件費や現場の負担は増やさず、売り上げ増を見込める。
宅配進出の背景の1つには、「中食」(弁当や総菜をスーパーやコンビニで購入し、家で食べる)市場の成長がある。スシローでは、郊外店舗では持ち帰りを注文する利用者も少なくないが、都心型2店舗ではほとんどいないという。
「中食は今後大きく伸びていくが、現状中食業界の中でおいしいすしが提供されているとは思っていない。おいしいすしを家庭やオフィスで楽しんでもらえる環境を作りたい。中食専門店を始めるつもりはないが、実店舗のキッチンをフル活用し、持ち帰りの進化形の1つとしてデリバリーを行っていく」(水留社長)
スシローの出店戦略は郊外を中心としており、現在都心型の店舗は都内の2店のみ。この2店を足掛かりにして都心市場の開拓を進めていく。都心型店舗の新規開店も計画しており、今期35店舗の出店計画のうち、3〜5店舗は東京や大阪の都心に出していく予定だ。
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