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» 2017年07月03日 07時30分 公開

モバイル決済の最先端:「アリペイ」が中国社会に与えたインパクト (2/3)

[青柳美帆子,ITmedia]

「決済額40%増」――インパクトの大きい「アリペイ効果」

 これほど中国の人々の生活に根付いているアリペイ。日本におけるアリペイは、中華圏の観光客を呼び寄せるために活用されている。アリペイ運営企業の日本法人、アントフィナンシャルジャパンが6月23日に開いたセミナーでは、それぞれの加盟店が「アリペイ効果」を語った。

ドン・キホーテ

 インバウンドに注力するドン・キホーテは、中国で普及しているデビットカード「銀聯(ぎんれん)カード」を利用可能にするなど、中国の消費者と親和性の高い決済サービスの積極的な導入を進めていた。2015年のアリペイの日本上陸の流れに乗り、いち早く加盟したという。

 ドン・キホーテが見るアリペイのメリットは、コーベイ(ディスカバー)での情報発信やプロモーション。キャンペーン施策などを展開したところ、中国消費者による決済額が導入前と比べて40%増加した。特に好調なのが都市部の店舗で、午後10時〜12時の売り上げが多いという。

成田国際空港

 2016年に導入。成田国際空港も14年からの中華圏の観光客による「爆買い」ブームの影響は大きく、売上高の半分以上は中華圏の消費者によるものだった。こうした消費者のニーズに応えるためにも、アリペイを導入する必要性を感じていたという。

 現在は成田国際空港内の店舗の9割がアリペイを導入。コーベイを使って店舗情報を発信するなど、さまざまな取り組みを行っている。「決済だけではないというのが最大の魅力。(コーベイでの情報発信など)旅行そのものへのマーケティングツールとしての効果も高い」といい、その効果は、クレジットカード決済を導入したときの取扱高の伸び率の、20倍近いスピードで伸びているほどだ。

ローソン

 ローソンは17年1月からアリペイに加盟。1万3000店舗に決済システムを導入した。現在、全国47都道府県で利用実績があるという。ドン・キホーテや成田国際空港とは違い、爆買いの影響はコンビニにおいてはそれほど大きな影響はないが、アリペイを用いて何を買っているのかなどの分析は着々と進んでいるという。一番の売れ筋は「焼き鳥」だ。

 また、現場のスタッフの負担が減るという効果もあった。日本の硬貨に慣れない観光客が、小銭をどう出していいのか分からず、時間がかかってしまう――というケースが減ったという。

 6月には、中国と日本でアリペイを用いた相互集客の取り組みも発表。日本のローソンでは「からあげクン」を、中国のローソンでは飲み物の割引クーポンを、それぞれコーベイに掲載し、ローソンのブランド認知の向上を目指す。

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