2021年のスマホアプリ市場、中国が4割占める注目市場は中国とインド

» 2017年04月07日 17時53分 公開
[ITmedia]

 スマートフォンアプリ市場データを提供するApp Annieが4月7日、2021年にかけてのスマホアプリ市場規模予測を発表した。全世界のアプリストアのダウンロード数は年20%近いペースで増大し、21年には3520億件を突破。全アプリストアを合計した消費者支出額は1390億ドル(約15兆3700億円)を超えるという。

2021年にかけてのアプリ市場、どう変わる?

 AppleのiOSは、21年まで最も収益の多いアプリストアの座を維持し、同年の収益額は603億ドル(約6兆6700万円)に上る見通し。しかし、Androidデバイスもユーザー数を急速に伸ばしつつあり、17年にはGoogle PlayとサードパーティーのAndroidストアを合計した収益額はiOSを追い抜くとみられる。

トップはiOSだが、Androidもユーザー数を急速に伸ばす

 注目の市場は中国とインド。中国は、16年から21年にかけて、ダウンロード数は年19%のペースで増大し1280億件に、消費者支出も年24%のペースで増えて565億ドル(約6兆2500億円)と全体の約40%に達し、市場の成長をけん引するという予測だ。

世界のトップに立つ中国

 App Annieは「中国の購買力は成熟市場ほど高くはないが、他の新興市場を大きく上回っている。また、ゲームをはじめとするエンターテインメントへの支出の大きさは、東アジアの他の成長市場と文化的に似ている。この2つの要素から、全体の収益は拡大する」と分析している。

 また、インドもスマートフォン普及が著しい。アプリストアのダウンロード数は年28%のペースで急成長し、21年には約230億件近くに達する見込みだ。しかしインドは中国とは異なり、成熟市場と比べて購買力が著しく低く、ゲームやエンターテインメントへの支出よりも節約を好む文化があることから、全世界のアプリストア支出に占めるシェアは2%以下にとどまるという。

インドは収益は期待ほどではない

 App Annieはアプリパブリッシャーに対し、以下をアドバイスしている。

  • 成熟市場(中国、米国、日本、韓国、英国)への投資を続けること。
  • メディア、ニュース、マッチング業界のパブリッシャーは、サブスクリプション広告モデルへの投資を続けること。
  • ゲームとエンターテインメント分野で中国進出を考えているパブリッシャーは、文化の違いを乗り越えるため、ローカリゼーションと提携に力を入れること。
  • インド市場では、広告などほかのマネタイズモデルの検討をすること。

 今回の予測リポートは、発表はアプリストアのダウンロード件数と収益のみを対象としているが、アプリストアの収益増加と並行するように、アプリ内広告やモバイルコマース(携帯電話を利用した電子商取引)の収益も急増を続けると考えられる。ますます成長していくスマートフォンアプリ市場を活用することが、ビジネスの成功には欠かせなくなってくるだろう。

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