今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。
欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。
ここ最近、日本ではインターネット発の話題が、週刊誌やワイドショー、ネットを中心に盛り上がっている。すでに食傷気味かもしれないが、衆議院の上西小百合議員のTwitter暴言と、女優・松居一代氏の離婚問題騒動である。
この2つのケースについてはいまさら説明の必要はない。ただ興味深いのは、両ケースについて、米国のドナルド・トランプ大統領と絡めた話が出ていることだ。なぜトランプの名前が出てくるかと言うと、トランプは今、ネット(主にツイート)で暴言を吐きまくっている人物として世界的に認知されているからだ。日本でもトランプが実際にどんなツイートをしているのかよく知らくても、なんとなくイメージで人の暴言を「まるでトランプのようだ」などと発言する人がいる。
実際のところ、上西議員や松居氏のネットでの言動はトランプっぽいのか。上西議員と松居氏の騒動と「ドナルド・トランプ」がどう交錯するのか考察する。
まずは上西議員のケースだ。上西議員の暴言ツイートは周知の通り「炎上商法」そのものであり、彼女(と事務所?)の思惑通りにテレビなどで大きく取り上げられた。そして番組でコメントをした人などにもかみつくことで、さらなる炎上を生み、話題を作る。まさに上西議員側の思う壺だと言える。
上西議員のケースで印象的だったのは、コメンテーターであるロバート・キャンベル氏のコメントをめぐる顛末(てんまつ)だ。キャンベル氏は朝の情報番組で、上西議員のツイートはトランプ米大統領と違って建設的ではないとコメントし、上西議員本人からTwitterで「建設的な意見を述べたり国会での活動状況を報じないんだから知らないんだろうけど、コメンテーターなら少しは調べてから話すべき」と反論された。
だが、これについてはキャンベル氏の言い分が正しい。筆者はキャンベル氏の知り合いでもファンでもないが、そもそもキャンベル氏は今回の彼女のツイートについてコメントをしているのであって、政治家としては話題にならない上西議員の言動について発言しているわけではない。
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