「未来の営業マニュアル」いかがですか

売りまくる営業組織の作り方成長企業が語る(2/3 ページ)

» 2017年09月25日 11時00分 公開
[ITmedia]

いかに営業にやる気を持たせるか

 ただし、いくら営業の仕組みが優れていても、実際に行動する担当者のやる気がなくてはならない。オープンハウスでは、こうした仕組みづくり以上に、営業メンバーのモチベーションの後押しに力を入れている。「不動産のような高単価な商品を提案する場合、顧客との接触量がモノを言います。電話や訪問などの行動量を増やすには、何より営業メンバーのモチベーションが重要です」と矢頭氏も力強く説明する。

 オープンハウスでは、全社を挙げて営業メンバーのモチベーションを後押ししている。四半期に1度の表彰式では、必ず全社員が一堂に会する。その中で、高い成績を収めた営業社員は、全社員からの賞賛とともにどんどん昇進させる。適性に合わせて新たな機会も積極的に与えていく。情報システム部門や財務部門など、非営業の各部門に、営業出身のメンバーが必ず所属しているのも同社の特長だろう。役員にも、営業部出身が多くを占める。オープンハウスでは、とにかく営業が花形なのだ。

 営業部内でのセルフ・モチベートには、さらに力を入れる。挨拶1つをとっても、部活動のようにとにかく声を出すことを大切にしているという。テンションを上げて、前向きに仕事をすることがオープンハウスの文化なのだ。こうした文化を浸透させるために、目標設定は月次ではなく、週次で行っている。案内数などの行動量に至っては日時で管理する。「やることを明確にし、仕事をやりきる力をつけるように徹底しています」と矢頭氏。

 さらに、こうした営業部の文化を浸透させるために、経営トップである荒井正昭社長もコミットする。“不動産業界における日本一”を目指し、そのために必要な毎年2〜3割の成長という目標を掲げるオープンハウス。「こうした明確な高い目標を掲げ、それに向かって社長が先頭に立ち引っ張るというカルチャーがオープンハウスの強みなのです」と矢頭氏は力を込める。

 さらに、「とにかく現場主義で、各事業部のマネジャー会議に出席して状況を把握しています。1人1人と面談するなど、何より社員を大事にしています」と矢頭氏が説明するように、トップの存在を介して明確化された営業マインドは、トップのコミットメントにより組織全体に拡散されている。それこそが、オープンハウスの強さだ。

 こうして培われてきた「モチベーション高く、目標達成向けて徹底的にやりきる」という“オープンハウスマインド”を、いかに営業部の末端まで浸透させるか、それが営業力強化の鍵になるのです」と矢頭氏は締めくくった。

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