長らく輸入ワインの寡占状態だった日本において、自国のワインが軽視されていたのは紛れもない事実だろう。もちろん品質の伴わないものもたくさん存在したが、中には海外の優れたワインと肩を並べるものもあったはずだ。しかし多くの消費者にはすべて「国産ワイン」として一緒くたにまとめられていたのである。
しかし時代は変わった。日本ワイン市場における輸入ワインのシェアは現在も7割弱と高いが、海外の著名なコンクールでいくつも賞を獲るなど日本ワインのレベルは確実に上がっている。シェアの伸び率も高い。
ワインはワインであり、海外だから良くて、日本だから悪いといったような優劣は本質的にはない。真剣にワインに携わる者の情熱は等しく、それが出来上がったワインを通して国内外の消費者にも伝わったことで、日本ワインは今ようやく花を開きつつある。
これまでにない最高のワインを造りたい――。そんな熱意を持った日本ワインの造り手たちはこの瞬間もワインと真摯に向き合っているのだ。(おわり)
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