2列目がベンチシートになっている7人乗りのモデルに乗ってみた。3列目シートに乗り込もうとすると、やはりミニバンのように楽に乗り込める、という感覚はない。後部座席のドアはスライドドアではない。3列目に乗るときは、2列目を前方にスライドさせた後、高めの床に上って潜るように乗り込んでいく。足腰が弱い人は大変そうだ。
座席に座ってみると、身長160センチ弱の記者なら窮屈さは感じない。前のシートと膝の間には5センチほどの隙間ができた。背もたれの角度も無理がなく、自然な姿勢で座れる。しかし、大柄な男性であれば、長時間乗っているのは苦痛かもしれない。
走り出すと、車内が驚くほど静かだ。3列目に座っていても、運転席に座る広報担当者と、声を張り上げることなく普通に会話できる。運転席とは距離が離れている上、運転者は常に前を向いて話している。それなのにこんなに聞こえるのは、少し不思議な感覚さえ抱いた。
次に運転席に座る。普段、ここまで大きな車を運転する機会はほとんどなく、少し不安もあった。しかし、実際に運転してみると、車体が大きいことによる動かしづらさはあまり感じない。自然な感覚で加速していく。アイドリングストップからのエンジン再始動の音や振動がほとんど気にならないことも含めて、マツダが発表している通り、「滑らかな走り」のように感じた。
フロントガラスに映し出されるヘッドアップディスプレイが視界に入り、走行速度や制限速度などの情報を把握できる。その分、手元のメーターはシンプルで、インパネ周辺の質感の高いデザインに合っている。
交差点を右折したとき、「ピピッ」と警告音が鳴った。2車線の右折レーンがある交差点で曲がるとき、隣の車線の後方から車が近づいたからだ。ヘッドアップディスプレイにもその方向が表示される。今回はゆったりとしたドライブで、危険を感じるようなことはなかったが、先進安全技術「i-ACTIVSENSE」の一端も感じることができた。
最後は地下駐車場に入る。バック駐車の際は「360°ビュー・モニター」が便利。4つのカメラで死角をなくし、周囲の物との距離感が分かる。上から俯瞰した車体も表示されるため、傾きも一目で分かった。
CX-8に実際に乗車してみて、SUVのデザイン性と座席の乗り心地の両方が可能な限り最大になるように計算されているように感じた。3列目を毎日使うユーザーには向かないかもしれないが、プラスアルファの機能として求める人には合いそうだ。「たまに大人数で乗る必要がある」「かっこいいSUVがいい」というニーズを満たしてくれる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング