東レは12月27日、子会社の東レハイブリッドコード(THC)が製品検査データを改ざんしていた問題に関して、有識者委員会がまとめた調査報告書の内容を公表した。THCはタイヤコードや自動車用ホースなどの製品において、顧客と取り決めた規格から外れたデータ149件を適合した数値に書き換えていた。
不正が起きた背景について、報告書は(1)品質保証に関する経営者の関心が薄かった、(2)品質保証室の独立性が高く、上層部や他部署との関係が希薄だった、(3)品質保証室が人手不足に陥っていた――などを指摘している。
報告書によると、データ改ざんに関与したのは2008年4月〜11年12月末と12年1月〜16年9月末に品質保証室長を務めた2人。
検査業務中、測定装置の劣化によって異常値を示すケースがあったが、品質保証室長は部品調達の都合上、修理すると納期に間に合わないと判断。「僅差の外れについては品質に問題はない」とし、データを書き換えていたという。
東レは「関係の皆さまにご迷惑とご心配をおかけしましたことを、改めて深くおわびする」と謝罪。今後は品質保証におけるコンプライアンスの強化などを徹底し、再発防止に努めるとしている。
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