インタビュー
» 2018年02月14日 07時00分 公開

“バレンタイン明け”の恒例に:「おじさん禁止」を貫く 「午後ティー×ポッキー」コラボ開発の裏側 (2/2)

[加納由希絵,ITmedia]
前のページへ 1|2       

会社に「持ち帰らない」で決める

photo キリンビバレッジマーケティング部の川名翔子さん

 このようなアイデアを女性だけで決めるといっても、それぞれの会社で商品開発の方法やルールは異なり、決定の過程には上司もいる。一見、ハードルがたくさんありそうなプロジェクトだ。このハードルをどうやって乗り越えているのか。それは、通常とは異なる商品開発の方法を編み出したことが大きい。

 通常、新商品のコンセプトや中身、販促方法などを決める会議がその都度開かれ、最終決定に至る。しかし、2社コラボとなると、それぞれ会議のタイミングや商品開発のルール、スケジュールが異なる。プロジェクトチームで決めたことを担当者がそれぞれの会社に持ち帰り、その結果を再度チームで共有する、ということを繰り返していると、開発はなかなか進まない。

 そこで、実行したのが「持ち帰らない」方法だ。それぞれの会社で議論するかわりに、決定権を持つ部長を含む、関係者全員が出席する「答申」の場を設けた。オープンな場でプレゼンと議論をして、そこで決まったことが決定事項となる。両社の開発スケジュールをすり合わせて、答申の場は3回設定した。

 おじさん世代の部長たちを前に、「一世一代のプレゼン、という気持ちで臨んでいた」と川名さん。その場で決める、というルールがあるため、緊張感がある場だったという。「アサイーなんて(多くの人に)分かるの?」「本当にこれが良いと思ってる?」などという質問をぶつけられたが、「女性にはウケる」理由や、商品の売りをはっきりと伝えることで分かってもらえた。

 「アサイーボウルの認知度を世代別・男女別に示した資料や、アサイーボウルの味を試してみたいかどうか聞き取ったデータを示しました。ブームの背景や歴史もまとめて紹介しました」(川名さん)。女性目線で「良い」と思っても、前提となる知識や感じ方が全く違う人には伝わらない。納得させられるような材料をしっかりと準備して、答申の場に臨んだ。

 きっちりと「決める」場を設けたことで、2社共同のプロジェクトにもかかわらず、かえって効率的に進めることができたという。

 そのかいがあって、コンセプトから味、パッケージまで、女性の心に刺さる商品を毎年生み出している。「女性目線」を成功させるためには、商品コンセプトだけでなく、開発の流れまでを意識した、徹底的な取り組みが必要なのかもしれない。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセスランキング
  • 本日
  • 週間