JTBグループでイベント・展示会運営などを手がけるJTBコミュニケーションデザインはこのほど、1億円の資本金を投じ、声優を養成する新会社「JTB Next Creation」を設立すると発表した。声優プロダクション事業や音響制作事業も同時に始め、アニメ・声優事業に本格参入するという。
同グループは2007年から、旅行業以外に事業の幅を広げる「交流文化事業」の一環でアニメ・声優事業に取り組んでおり、既に声優養成所「JTBエンタテインメントアカデミー」を運営しているが、新会社設立ではより質の高い声優教育を提供するという。
JTBによると、このタイミングで同事業を強化する理由は「政府が推進する『クールジャパン戦略』の一環でアニメが重要コンテンツとなっており、市場規模が拡大し続けているため」。「声優が人気職業ランキングで上位に入るなど、声優を目指す人が年々増加していることもある」という。
新設する声優学校の体制はどうなるのだろうか。JTB広報室に方針を聞いたところ、「カリキュラム、コース、定員となどの詳細は4月以降に発表するが、既存の声優養成所とは大きく変える予定」と回答。
他社の声優学校・声優養成事業との差別化要因についても「4月以降に発表する」とした。
生徒の年齢層や募集方法については、「日本全国から20歳前後の生徒を募集するが、社会人の通学も可能にする。今後は18年4月に生徒の募集を始め、(入学試験として)オーディションを実施する。19年4月に第1期を開校する予定だ」という。
卒業生の進路は「新会社が運営するプロダクションに所属してもらう」とし、就労のサポート体制も充実させる考えを示した。
「プロダクション事業は(生徒の)声優デビューへ向けた支援の一環として手掛ける。彼らに寄り添いながら、人気声優になるという夢の実現にむけて取り組んでいく」という。
ただ、プロダクションのマネージャーがどの程度の人数を担当し、どのように仕事をあっせんするかといった詳細は「回答を差し控える」とした。アニソンライブなどのイベントを自社開催するかどうかも「現時点では未定」という。
同時にスタートする音響制作事業については、「アニメ、オーディオドラマ、ゲームなどに関する音楽の制作を受け持ち、声優、音響効果エンジニアの選定や発注、録音スタジオの手配、アフレコのディレクションなどを行う」とし、サウンド制作に本格的に乗り出す方針を明らかにした。
収益目標は「非公開」としたが、一連のプランからはJTBの本気度がうかがえる。JTB出身の声優が人気アニメに起用され、アニソンシーンでヒット曲を生み出す――といった日はいつか来るのだろうか。
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