1センチ単位で指定できる家具サービスの舞台裏ありそうでなかった(1/4 ページ)

» 2018年05月01日 06時00分 公開
[昆清徳ITmedia]

 「部屋の間取りにあう家具がないので、スペースを有効活用できない」「デザインは気に入ったけどサイズが大きすぎる」「サイズはちょうどいいけど、色が気に入らない」――家具を買うときにこんな経験をした読者も多いだろう。

 2018年3月、オンラインで自分の好きなサイズや色の家具を注文できる「Yourniture.」というサービスがスタートした。運営するのはベンチャー企業のユアニチャー(東京都港区)。通常、1点物の家具というと高額になりがちだが、量販店と同程度の価格で家具を提供している。

 ありそうでなかったこのサービスが生まれた背景には「独自のテクノロジー」と「工場担当者との泥臭い交渉」があった。サービスを実現するために奮闘した峯浦(みねうら)望社長に話を聞いた。

photo 「SIMPLE BOX」(高さ50センチ、奥行50センチ、幅50センチで「Marron Brown」を選択した場合)
photo 「Yourniture.」の専用サイト

ネットで簡単に注文可能

 まず、「Yourniture.」の概要を説明しよう。

 家具の注文は専用サイトで行う。販売している商品は「SIMPLE BOX」という箱だ(18年4月時点)。幅、高さ、奥行を10センチから50センチまで選ぶことが可能で、1センチ単位で調整できる。色は「Milk White」や「Marron Brown」など10種類から選ぶ。注文する数量を入力すると、自動で価格が表示される。例えば、幅50センチ、高さ20センチ、奥行30センチで注文すると3582円(税抜)と表示される。送料は都内の場合1000円程度だ。

 注文が完了すると家具の図面が自動で生成され、製造指示書がインドネシアの工場に送られる。あとは、生産ラインで工場の職人が加工するという流れだ。

 一見すると非常にシンプルに見えるが、実現するまでには多くの苦労があった。

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