[横浜市 14日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>の西川廣人社長は14日の決算会見で、仏ルノー
西川社長は、将来的にカルロス・ゴーン会長のようなリーダーから次世代の経営陣に代わっても「各社が自立性を担保しながら今と同じような仕事ができる環境をどう作るかを考えるのが私の宿題」と指摘。「この『宿題』は1カ月、2カ月で答えを出す話ではないが、今年度以降、できるだけ早いタイミングで次世代に向けた準備をしていきたい」と語った。
ただし、ルノーと合併・経営統合を検討しているとの一部報道に対しては「一切その事実はない。まったくない」と強く否定。「自立性と効率を両立させる今のアライアンスの形を犠牲にして次の形にすることは考えられない」と述べた。
現在の3社連合は、競合と同じ規模を享受しつつ、「原則として各社が自立性を尊重しながら、一体運営すべきところで最大限のシナジーを求めていく」ことが重要な点と説明。その上で「いろんな形が考えられる」としながらも、「仮に今より良い解がなければ、今の状態を続けるということもあり得る」とも述べた。
現在の資本構成は、ルノーが日産に43.4%、日産はルノーに15%を出資し、日産が三菱自に34%出資する。仏政府がルノーと日産の経営統合を求めているとされる。
<今期営業益予想6%減、北米立て直し最優先>
日産が同日発表した2019年3月期の連結営業利益は前期比6.0%減の5400億円となる見通し。円高や原材料高などが響き、3期連続で営業減益となる。トムソン・ロイターが集計したアナリスト21人の予測平均値は6213億円で、会社予想はこれを下回る。
前提為替レートは1ドル=105円(前期は110.9円)、1ユーロ=130円(同129.7円)に設定した。今期営業利益を為替の影響が1350億円圧迫するほか、原材料高で800億円、研究開発費の増加で440億円押し下げる。
北米事業の収益改善も課題。西川社長は「今期は減益(予想)。甘んじて(批判を)受け入れながら、米国事業の収益立て直しに主眼を置く」と話した。競争激化で販売奨励金がかさみ、前期の北米事業の営業利益は約30%減だった。米国市場では、販売奨励金を抑えながら、法人向けフリート販売より個人向けリテール販売を増やす考え。
今期の北米販売は同2.9%減の203万台を計画する。世界販売全体では前期比2.7%増の592.5万台で、前期に続き過去最高となる。このうち、日本は同5.3%増の61.5万台、欧州は同10.7%減の67.5万台、中国は同11.5%増の169.5万台。
今期の売上高は同0.4%増の12兆円、純利益は同33%減の5000億円を見込む。
同時に発表した前期(18年3月期)の営業利益は前の期に比べて22.6%減の5747億円、売上高は同2.0%増の11兆9511億円だった。米国の法人税減税の効果などもあり、純利益は同12.6%増の7468億円となった。世界販売は同2.6%増の577万台と過去最高だった。
(白木真紀)
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