[ロンドン 7日 ロイター] - 英国のエリザベス女王に直接触れることは、女王に対する最大のタブーとされている。英王室を巡っては、このような明文化されていない儀礼上のルールが数多く存在する。
米国人女優のメーガン・マークルさんは、19日にウィンザー城の聖ジョージ礼拝堂で行われる女王の孫のヘンリー王子との結婚式までに、こうしたルールを完全に身に着けていなければならない。
英王室の一員と会う機会を得た時に、一般人はどのように振る舞えばいいのだろうか。1769年創立のエチケット指導会社「デブレッツ」のアソシエイト・ディレクターで、現代の英国マナーの権威であるルーシー・ヒュームさんに説明してもらった。
「覚えておかなければならないことの1つは、あいさつの仕方だ。初対面の英王室の一員と会うとき、それが正式な場なら、女性は(膝を大きく曲げる)「カーテシー」と呼ばれるお辞儀をするのが慣例だ。ほんの一瞬軽く曲げるだけでは不十分だ。男性は、首からお辞儀をすることになっている」
「レセプションや、フォーマルではない場で王室の一員と偶然会うこともあるだろう。その場合、握手が適切なこともある。だが自分から手を出すのではなく、相手が手を差し出してくれるのを待つのがベストだ」
「女王に紹介されたなら、『陛下(Your Majesty)』と呼びかける。そのほかの王室メンバーには、『殿下、妃殿下(Your Royal Highness)』だ。2度目以降は、女性に対しては『マァム(Ma'am)』、男性に対しては『サー(Sir)』と呼びかける」
「普通は、適切ではない。写真を撮りたければ、まず本人に許可を求めて、できれば誰かに撮ってもらおう。その場合、近づきすぎないことも大事だ」
「英王室の一員に対して、自分からは物理的に接触しようとしないのがベストだ。英王室のメンバーの方から、ハグしようとしてくれたり、肩を組もうとしてくれたりすることもあるかもしれない。だが通常は、その場で何が適切で、何が自分に求められているかをまず観察しよう」
「問題になることはない。正式に法的ルールとして定められているものは何もない。もし相手を不快にさせたと思うなら、謝罪しよう。だが、あわてずに、落ち着いて振る舞おう」
「公の場での英王室の人々を見ると、異なるさまざまな状況に慣れているように見受けられる。彼らは異なるバックグラウンドから来た人々と日常的に会っているし、人々にくつろいでもらうように振る舞うことにも慣れている。あなたの振る舞いで気分を害すようなことはないだろう」
(翻訳:山口香子、編集:伊藤典子)
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