冒頭の記事は、ジョアンナ・チュウという女性ジャーナリストが執筆している。内容はかなりセンセーショナルで、フォーリン・ポリシー誌のアクセス数ランキングでもしばらくトップに君臨していた。
記事を見ると、彼女が同業の男性記者とタクシーに同乗したらキスを迫られた話や、ナイトクラブでジャーナリストに酔わされて腰に手を回され、無理やり外に連れ出された話などが登場する。また彼女が取材した他の女性ジャーナリストの経験談なども紹介され、世界的に知られる大メディアの記者から無理やりキスされそうになった話なども出てくる。
さらに記事にはこうつづられている。「#MeTooキャンペーンは、こうした(セクハラの)話がいかに日常的なものかを気付かせてくれたが、私の経験上、海外で働く駐在男性の行為は、出身地であるカナダで経験してきたことと比較にならないくらいひどい」という。さらに、「問題の根幹は責任の欠如にある。ニューヨークにいたらクビになってしまう可能性がある(というより、クビになるべき)行為が、北京やクアラルンプールでならバレないことが多いからだ。離れた国にある支局は本部とのやりとりも少ないし、時には、従業員が間違った言動を報告するシステムすらない」
ここまで読んで、この話がジャーナリスト以外のビジネスパーソンにも当てはまるものだと感じている人も少なくないかもしれない。そう、海外にビジネスなどで行く人や赴任する人にも十分に当てはまる話なのだ。
ビジネスで海外に行けば、ほとんどの場合、現地のコーディネーターや通訳、ガイドなどがくっついて動いてくれる。フレンドリーにあれこれと世話をしてくれるのである。通訳やガイドなど相手からすれば、ギャラをもらっているビジネスだから当たり前ということになるのだが、出張や赴任で行っているほうは個人的な親しみを覚えてしまうことも少なくない。それが女性だったりすると、勘違いが生まれてしまうこともある。
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