日産が22年までにCO2排出量4割削減へ EVの販売増加で対応ESG分野の活動目標を提示(1/3 ページ)

» 2018年06月11日 14時40分 公開
[武田信晃ITmedia]

 日産自動車は6月7日、2022年度までに新車1台当たりの二酸化炭素(CO2)の排出量を、00年度比で4割削減すると発表した。電気自動車(EV)やハイブリッド車など電動化車両の販売を増やして対応する。工場などの生産活動で発生するCO2も、05年度と比べて3割減らし、企業全体の環境対策を強化する。

 7日の記者向け説明会の中で、「環境(Environment)」、「社会性(Social)」、「ガバナンス(Governance)」=「ESG」における包括的な活動指針「Nissan Sustainability 2022」を発表し、ESG分野においての22年までの活動目標を示した。この日登壇した川口均専務執行役員は「走行中にCO2を排出しない『ゼロ・エミッション』と、日産車が関わる死亡者数を実質ゼロにする『ゼロ・フェイタリティ」』の実現を目指す」と述べた。

phot 「ESG」における包括的な活動指針「Nissan Sustainability 2022」

電動化車両の販売を年間100万台に拡大

 日産はもともと「環境」への取り組みとして、50年までを見据えた中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム」を01年に発表。「新車のCO2排出量を00年度実績から90%削減」、「企業活動におけるCO2排出量を05年度実績から80%削減」、さらに「新規採掘資源への依存を70%低減する」という目標を掲げていた。この目標をベースに、今回の「Nissan Sustainability 2022」では、22年度までの短期的な数値目標を次のように示した。

1:「新車のCO2排出量を00年度実績から40%削減」 

 EV(電気自動車)と、日産が展開するハイブリッド「e-Power」搭載車の販売を、現在の約6倍である年100万台まで拡大する構えだ。また、車とスマートフォンなどあらゆるモノとの直接通信を可能にするV2Xシステムをグローバルに広げることで、エネルギー管理を支援する。V2Xシステムが普及すれば、効率的な交通システムの構築や自動車事故の未然防止に役立てられるという。

2:「企業活動におけるCO2排出量を05年度実績から30%削減」

 エネルギー使用量の診断に関する専門チーム(NESCO)の活動を推進していく考えだ。

3:「新規採掘資源への依存を同30%低減」

 資源保護の目的から、新規採掘資源への依存(新材料の使用)の低減にも取り組む。22年度までに現在の70%まで減らす仕組みを構築するとした。

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