攻める総務

パンやペン、ストッキングも“冷え冷え” オフィス用「無人コンビニ」がスゴイあなたの職場でも“開店”するかも(4/4 ページ)

» 2018年06月19日 08時00分 公開
[服部良祐ITmedia]
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メーカーと消費者をつなぐ存在に

 例えば、いつも特定の商品を買う人にターゲットを絞った売り方だ。「チョコレートばかり買うとデータから判明した人がいるとする。この人は新商品のチョコを買う可能性が高い。こういう人には30%割引でチョコを販売しても(必ず買うので)価値のある売り方ができるかもしれない。このサービスはメーカーと消費者をつなぐ“ハブ”になれる」(久保社長)

photo ネクタイだって買える。ただし冷え冷えです

 商品を提供するメーカー側にとってもこの購入データは利用価値が高いと久保社長は指摘。1つの棚を同じ会社の製品だけにして実験してみたり、新商品や試作品を試しに投入したりと、メーカーのマーケティング戦略の場としての活用も想定している。

 「どんな人がどういう組み合わせで商品を買うのか、20円値上げしても買ってくれるのか。こうしたデータもメーカーに提供できる」(久保社長)。商品の最適な売り方を調査するマーケティングのツールとしてメーカーに提案することで、新たな収益の柱にしていく方針だ。

コンシェルジュ系サービスの台頭

 近年、消費者の好みを分析して最適な商品を提供するサービスをベンチャーが相次ぎ打ち出している。ユーザーからの注文を基本的に受け付けず、彼らの嗜好データから最も好むであろう菓子を分析して配送するスナックミー(東京都中央区)の「snaq.me」などが代表格だ。

 「コンシェルジュとして(ユーザーの欲しい商品を)最適化することこそ、私たちが大事にしている点であり他社との違いになる部分」(久保社長)。ユーザーの好みを理解するアイデアとITの力を合体させた、こうした「コンシェルジュ系」サービスに今後も注目が集まる。

 ちなみに無人コンビニは3〜8度の温度が維持されているため、中で売られている文具やストッキング、リップクリームに至るまで日用品もひんやりしている。久保社長によるとユーザーから「冷えてますね」と少し驚かれることもあるが、評判は上々だとか。

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