「この吸引力に勝てますか」 掃除機市場でパナソニックの巻き返しが始まった従来の欠点を克服(3/3 ページ)

» 2018年07月20日 11時25分 公開
[大河原克行ITmedia]
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45年以上の歴史を持つ八日市工場で開発

 戦略的製品に位置付けられる「パワーコードレス」は、滋賀県東近江市のパナソニック アプライアンス社 ランドリー・クリーナー事業部 八日市工場で開発、生産されている。

滋賀県東近江市のパナソニック アプライアンス社 ランドリー・クリーナー事業部 八日市工場 滋賀県東近江市のパナソニック アプライアンス社 ランドリー・クリーナー事業部 八日市工場

 1971年から稼働し、45年以上の歴史を持つ同工場は、「デザインから設計、生産まで、一気通貫での最速モノづくりを実現している点、PP樹脂繊維による外観加飾をはじめとした先端成形技術を持っている点、優れた触媒技術を持っている点が八日市工場の特徴」とする。

 さらに、さまざまな環境を再現できる試験装置による品質保証を実現する点も大きな特徴となる。

 恒温室やノズル耐久試験装置、延長完強度試験機といった各種の耐久・信頼性試験装置、X線透過装置や蛍光X線分析装置、フーリエ変換赤外分光光度計、六価クロム分析システムなどの材料分析装置のほか、実際に家を建てて、顧客視点で掃除機を使用して、課題を発見する確認試験なども行っている。

ノズル部分も軽量化に寄与している ノズル部分も軽量化に寄与している

 パナソニックが掃除機の第1号製品を投入したのは1954年。「その後、長年に渡って、日本の生活様式の変化に寄り添って製品を進化させてきた自負がある」とする。こうした長年に渡る実績をもとに、スティック掃除機の決定版を送り込んできたというわけだ。

 パワーコードレスでは、「この吸引力に勝てますか」をキャッチフレーズに打ち出した。今後も市場成長が見込まれるスティック掃除機において、パナソニックの巻き返しが始まる。

著者プロフィール

大河原克行(おおかわら かつゆき)

1965年、東京都出身。IT業界の専門紙である「週刊BCN(ビジネスコンピュータニュース)」の編集長を務め、2001年10月からフリーランスジャーナリストとして独立。BCN記者、編集長時代を通じて、25年以上にわたり、IT産業、電機業界を中心に幅広く取材、執筆活動を続ける。現在、ビジネス誌、Web媒体などで活躍。PC Watchの「パソコン業界東奔西走」をはじめ、AVWatch、クラウドWatch、家電Watch(以上、インプレス)、日経トレンディネット(日経BP社)、ASCII.jp(KADOKAWA)、ZDNet(朝日インタラクティブ)などで連載記事を執筆。夕刊フジでは「まだまだスゴい家電の世界」、中日新聞では「デジモノがたり」を連載中。著書に、「松下からパナソニックへ 世界で戦うブランド戦略」(KADOKAWA)、「ソニースピリットはよみがえるか」(日経BP社)、「図解 ビッグデータ早わかり」(KADOKAWA)などがある。近著は、「究め極めた『省・小・精』が未来を拓く――技術で驚きと感動をつくるエプソンブランド40年のあゆみ」(ダイヤモンド社)。

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