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» 2018年08月16日 06時30分 公開

もはや融資は銀行の専売特許ではない 新型融資ビジネスが急拡大する背景は?“いま”が分かるビジネス塾(2/3 ページ)

[加谷珪一,ITmedia]

隠れた主役はアマゾン

 リクルートはあらゆる領域のビジネスを手掛ける大企業だが、フィンテックを活用した融資ビジネスにはベンチャー企業も数多く乗り出している。元銀行マンらが16年に設立したクレジットエンジン(東京都港区)は、各種オンライン・サービスと連携することで自動的に融資の可否を判断するサービス「LENDY」を提供している。

 LENDYでは、融資を受ける企業が通常業務で利用しているPOSレジ、会計ソフト、決済サービスなどと連携し、システムが自動的に事業データの収集と分析を実施。管理画面を確認すれば、今、いくら借りられるのか常に確認できる。決算書の提出は不要で、最短1日で500万円までの融資が可能だ。同社以外にも似たようなコンセプトを掲げる企業が続々と登場している。

「LENDY」(出典:同社サイト) 「LENDY」(出典:同社サイト)

 積極的に情報を開示していないので、あまり目立っていないが、実はこうしたフィンテック融資の隠れた主役はAmazon(アマゾン)である。

 アマゾンは自社サイトに出品する事業者を対象に、短期融資を提供する「Amazon レンディング」を以前から展開してきた。17年あたりから融資事業を急拡大させており、国内でもサービスを利用する事業者が増えている。アマゾンの場合、自社で倉庫を持ち、出品する事業者はアマゾンの倉庫に商品に納入するので、物流と決済の両方を押さえている。

 アマゾンはあらゆる情報を握っているので、出品者の資金繰りの状況を把握するのはたやすい。

 過去の販売状況などから仕入れ不足などをシステムが予測し、出品する事業者に対して、次のセールではどのくらいで在庫が不足するのかといった情報をメールで知らせる仕組みがすでに出来上がっている。

 これを見た事業者は、アマゾンから資金を借りて商品を仕入れ、最適化された形で販売できる。金融機関に当てはめれば、顧客に対する営業活動もシステムが行っているようなものだ。

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