東京藝術大学は10月26日、2019年度の入学者から学部の授業料を約20%値上げし、年間約64万円にすると発表した。20年度の入学者からは大学院の授業料も同額に引き上げる。値上げで得た収益は、教育体制の拡充、設備投資、給付型奨学金の整備などに充て、優秀な芸術家の育成・輩出に注力していく。
18年度までに入学した学部生と19年度までに入学した大学院生の学費は値上げの対象外とし、在学中は現行のまま据え置く。
現在の授業料は学部・大学院ともに、文部科学省が省令で定める標準額の年間約54万円。両者の値上げが完了する22年度までに、約3億円の増収を見込む。国立大が標準額を超える水準まで学費を引き上げる例は、東京工業大学に続いて2校目。
東京藝大の担当者は、値上げ分の用途を「海外から一流の芸術家を講師として招き、個別指導や少人数制の授業を充実させるために使用する」(戦略企画課、以下同)と説明する。
「工房やスタジオへの設備投資を行いつつ、美術や音楽の実技指導を行う専門的なスタッフも雇用していく。学生を海外の音楽祭などに派遣し、国際経験を積んでもらうことも考えている」という。
返済不要の奨学金を設定する理由は、経済的に困窮する学生のサポートを強化するためといい、値上げ幅に等しい年間10万円を給付する予定。
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