スマホをスタンプカードにする「光スタンプ」 CCCマーケとパナソニックが開発LED光源から信号を送る

» 2018年11月05日 17時35分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 バーコードの読み取りではなく、スマホで光を読み取ることで電子的にスタンプを押す「光スタンプ」サービスを、パナソニックとCCCマーケティングが共同開発した。11月5日から提供を開始する。パナソニックが開発した「LinkRay」対応卓上端末のLED光源から信号を出し、CCCマーケティングが提供するポイントカードまとめアプリ「スマホサイフ」で読み取ってスタンプを受信する。

 紙のポイントカードの代わりに、スマホをポイントカードとして使う取り組みのひとつだ。「LED光源を高速に明滅させて、情報をスマホのカメラで受信しサービスを提供する。ピント合わせが不要。わずかな時間でスタンプをゲットできる」とパナソニックのアクチュエーション事業統括部の前田崇雅統括部長。

LED光源を明滅させることで数10kHzの信号を出し、それをスマホのイメージセンサーで読み取る仕組み

 背景には、国のキャッシュレス決済の推進がある。キャッシュレス決済には、現金決済にかかるコストの削減というメリットがあるが、「キャッシュレス決済が進んでも、ポイントカードやクーポン券は紙。レジでスマホもカードも出してオペレーションも二重化してしまう」(CCCマーケティングの渡辺朗COO)という課題もあった。

 その解決を目指したのが、スマホアプリのスマホサイフだ。Tポイントやマツモトキヨシなど29ブランドと提携し、複数のポイントやスタンプカードを1つのアプリの中にまとめた。スタートから2年3カ月で150万ダウンロードに達している。今回の電子スタンプサービスは、そのポイント運用をさらに便利にする狙いがある。

 まずは中小の店舗に注力する。導入した店舗は、150万ダウンロードのスマホサイフからの集客が見込めるほか、スタンプを提供した顧客の属性情報などをCCCマーケティングから受け取りCRM活動に利用できる。

 ただし、店舗側が導入するLinkRay対応端末の価格などは明らかにしなかった。キャッシュレス化にあたっては、店舗側がさまざまな決済端末を導入する必要があり、導入費用負担が課題になっている。 

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