2017年12月に「本当に住みやすい街大賞2017」(主催:ARUHI)で1位となった南阿佐ヶ谷(東京都杉並区)。その中心部である青梅街道と中杉通りの交差点付近には、南阿佐ヶ谷駅(東京メトロ丸ノ内線)、杉並区役所、杉並郵便局、杉並警察署などが密集している。
このエリアの一角で、とあるビルの建て替え工事が進んでいる。老朽化したビルの跡地は白い壁で覆われており、工事車両が出入りしている。
11月上旬、そんな跡地の一角に小さな建物が突如として出現した。街中にある宝くじ売り場よりも小さく、プレハブのような簡素なつくりである。近づいてみると「たばこ」と書かれた青い旗がドア付近に立てられており、「MINI STOP」のロゴマークもあった。また、建物の窓には「ミニストップ南阿佐ヶ谷店 臨時煙草販売店舗」と書かれた張り紙がある。営業時間は平日の午前10時から午後5時となっている。
記者はかつて、某大手コンビニチェーンで店舗設計を手掛ける担当者を取材した際、「日本で一番小さいコンビニはどこにあるのか?」と聞いたことがある。担当者は「駅ナカで営業しているキオスクのようなお店は店舗面積が特に小さいが、日本一がどこかは分からない」と回答した。そのコメントを踏まえるならば、記者の目の前にあるこの店舗は“日本最小級”のコンビニといって過言ではないだろう。なぜ、このような店舗が出現したのだろうか。
開店直後、タバコを購入するついでに店員に話を聞いてみた。
もともと、この店舗は撤去されたビルで営業していたが、建て替え工事に伴って、一時営業を休止していた。新しい建物が完成したら、1階部分で営業を再開する予定だったという。
しかし、この付近でタバコを買える店舗がなく、お客から「タバコだけでも販売してほしい」という声が上がった。そこで、この臨時店舗をオープンすることにした。
確かに、この店舗のすぐ近くではセブン-イレブンが営業しているが、タバコは扱っていない。目の前にある青梅街道を渡って、1分ほど歩けばローソンがあり、そこではタバコを売っているのだが、記者は都市部におけるタバコの商圏がここまで狭いのかと驚かされた。
店員と話し込んでいると、ミニストップ南阿佐ヶ谷店は非常に歴史のある店舗だということが分かった。オープンしたのは1980年代初期で、ミニストップの歴史のなかでは7〜8番目に古いという。
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