日産社員「誠意と熱意を感じた」、西川社長が全社員に経緯説明「力不足」反省

» 2018年11月26日 17時11分 公開
[ロイター]
photo 11月26日、会長だったカルロス・ゴーン容疑者の逮捕を受け、日産自動車は午前、横浜市の本社で、ゴーン容疑者の不正行為、逮捕や会長解任までの経緯などを全従業員に向けて説明した。写真は同社の西川社長。横浜で19日撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)

[横浜市 26日 ロイター] - 会長だったカルロス・ゴーン容疑者の逮捕を受け、日産自動車<7201.T>は26日午前、横浜市の本社で、ゴーン容疑者の不正行為、逮捕や会長解任までの経緯などを全従業員に向けて説明した。西川廣人社長が自ら語り、国内外の事業所や工場などにもライブ中継された。西川社長が全社員に直接説明するのはこれが初めて。

説明会は報道陣には非公開とされ、複数の日産社員によると、午前9時半から始まり、午前10時半前に終了した。西川社長がこれまでのいきさつなどを説明。不正の詳細な内容については捜査中として明かさなかったが、すべての顧客や社員、取引先などに動揺を与えたことを謝罪し、自らも「力不足」だったと反省の弁を口にしたという。

西川社長はまた、ゴーン氏に権力が集中したことで他の役員が直接、互いに十分なコミュニケーションを取らなくなっていたとも指摘。意思決定のゴーン氏への集中がエスカレートしていったと振り返った。ただ、ゴーン氏の会長解任により、今後はそうした状況がなくなり、透明性が高まるとの認識を示した。

提携先のルノーとの今後の関係については「継続していく」との方針で、ルノー側とも話をしていると述べた。さらに、社員が落ち着いて前向きに仕事ができるようにしていくことが自分の仕事であり、「一緒に頑張っていこう」と社員に呼びかけた。

出席した社員の1人は「西川社長は普段は淡々として物静かな印象だが、今日は熱意や誠意みたいなものを感じた」といい、「これから会社がどうなるのか不安は尽きないが、難局を皆で乗り切ろうと思うことができた」と述べた。

同日午後には、傘下の三菱自動車<7211.T>が臨時取締役会を開き、ゴーン容疑者の会長職の解任と代表権を外すことを提案する見通し。

(白木真紀 取材協力:Kim Chang-Ran)

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