日経平均は続落、TOPIX1年半ぶり安値 外部環境への懸念で下げ幅は一時150円を超え

» 2018年12月11日 15時55分 公開
[ロイター]
photo 12月11日、東京株式市場で日経平均は続落した。前日の米国株高を支えに買いが先行したが、英国のEU(欧州連合)離脱を巡る動きなど、不透明な外部環境が相場の重しとなった。写真は都内の株価ボード前で2014年12月撮影(2018年 ロイター/Issei Kato)

[東京 11日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続落した。前日の米国株高を支えに買いが先行したが、英国のEU(欧州連合)離脱を巡る動きなど、不透明な外部環境が相場の重しとなった。下げ幅は一時150円を超え、2万1000円に接近する場面があった。TOPIXは年初来安値を更新。取引時間中としては2017年6月以来、1年半ぶりの安値を付けた。

騰落率は日経平均が前日比0.34%安、TOPIXが0.91%安だった。セクター別では情報・通信が上昇率トップ。小売など内需関連が底堅く推移した。ユニー・ファミリーマートホールディングス<8028.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>、ファーストリテイリング<9983.T>の3銘柄の上昇が日経平均を約74円押し上げる要因となった。

業種別の下落率上位には石油関連や機械がランクイン。景気敏感セクターの年初来安値更新が相次いだ。米通商代表部(USTR)が10日に開催した日本との貿易に関する公聴会で、米自動車大手の業界団体が為替条項などを要求したことを受け、自動車株に下押し圧力が掛かった。

一方、中国商務省は劉鶴副首相がムニューシン米財務長官とライトハイザーUSTR代表と11日午前に電話会談したと発表。前場中盤にこれが伝わると指数先物にショートカバーが入り、日経平均はプラス圏に浮上する場面があった。だが寄り付き直後につけた日中高値を上抜けられず、再び下げに転じた。

後場寄り後は日銀によるETF(上場投信)買いの思惑や上海株高が相場を下支えしたものの、様子見姿勢も強く、後場の高安値幅は約79円と膠着した。「積極的に買えないにしても、ここからさらに売っていくという水準ではない。SQ(特別清算指数)算出週で上下に振れやすい状態だが、下値が固まりつつある印象もある」(証券ジャパン・調査情報部長の大谷正之氏)との声が聞かれた。

個別では2018年12月期利益予想と配当予想の上方修正を発表した日本エスコン<8892.T>が大幅反発。販売不動産の利益率が高まった。半面、三井ハイテック<6966.T>が急落。19年1月期の連結業績予想を下方修正したと10日に発表し、嫌気された。電子部品事業での営業利益の減少が響いた。

東証1部の騰落数は、値上がり324銘柄に対し、値下がりが1745銘柄、変わらずが54銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      21148.02 -71.48

寄り付き    21273.04

安値/高値   21062.31─21279.02

TOPIX<.TOPX>

終値       1575.31 -14.50

寄り付き     1592.71

安値/高値    1572.33─1592.71

東証出来高(万株) 147631

東証売買代金(億円) 25012.34

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