幹部逮捕に揺れる中国ファーウェイ、何が問題なのかセキュリティー問題との関係は(2/3 ページ)

» 2018年12月13日 07時00分 公開
[ロイター]

なぜファーウェイ製品を排除する国があるのか

米情報機関は、ファーウェイが中国政府とつながっており、同社製品には政府のスパイが使用できる「裏口」機能が埋め込まれている可能性があるとしている。その証拠は公表されていないが、ファーウェイ側はこの疑惑をたびたび否定している。

だが疑惑は消えていない。現在の懸案は、ファーウェイが先頭を走る次世代高速通信「5G」技術の構築だ。国内企業に、要請があれば政府を支援することを義務付けた中国の新法も、懸念材料となっている。

米政府は、ファーウェイ製品の政府調達を禁止し、同製品を使う通信会社への政府支援を停止するなど、米市場からファーウェイを締め出す政策を打ち出している。ベライゾン・コミュニケーションズとAT&Tは今年、ファーウェイのスマホを販売する契約を打ち切った。

米国のもっとも親密な同盟国であるカナダや英国、ドイツでさえ、機材のセキュリティーを確認する十分な対策を講じているとして、ファーウェイに対して具体的な対応を取っていない。だがオーストラリアとニュージーランドは最近、ファーウェイの5G通信網構築への参加を禁止した。ドイツなども、この問題の再点検に動いているもようだ。

孟氏の逮捕は、セキュリティー問題と関係あるのか

米当局は、孟容疑者の逮捕に至った状況について明らかにしていないが、事情に詳しい筋はロイターに対し、今回の逮捕は、米国の貿易制裁違反に関連するものだと話した。

ロイターは約6年前、禁輸対象の米ヒューレット・パッカード(HP) のコンピューター機器をイランの携帯電話大手に売却しようとしていたスカイコム・テックという企業と、孟容疑者とファーウェイのつながりについて報じていた。

Copyright © Thomson Reuters