謎めいたファーウェイ創業者一族、後継者逮捕で注目「いかなる不正も承知していない」(2/3 ページ)

» 2018年12月13日 07時00分 公開
[ロイター]

<謎に包まれた私生活>

現在74歳の任氏は1988年にファーウェイを創業した。娘の孟氏同様、私生活をほとんど明かしていない。

だが先月、異例の行動に出た。仏週刊誌パリ・マッチに家族写真を掲載したのだ。その写真には、現在の妻と下の娘も写っていた。

写真の中で、孟氏の異母姉妹であるアナベル・ヤオ氏(20)は、母親と一緒にグランドピアノの前でポーズをとっている。パリ・マッチは母親のことを「リン・ヤオ」と紹介している。青いシャツを着た任氏は、笑顔の娘の肩に手を置いている。

ファーウェイの広報担当者はロイターに対し、リン・ヤオ氏が任氏の妻であると確認した。ハーバード大学でコンピューターサイエンスを学び、バレリーナでもある下の娘について、これまで知る人はほとんどいなかったが、彼女は最近パリで社交界デビューを果たした。

ファーウェイは非上場企業で、社員が株式を所有する会社だとしている。任氏が保有する同社の株式は約1.4%にすぎないが、同氏は社内の最高権力者で、内部メモを通して世界中に散らばっている社員と頻繁に連絡を取り合っていると社員は語る。

昨年時点の従業員数は18万人以上、売上高930億ドル(約10兆円)のファーウェイは中国最大のテクノロジー企業に成長したが、1990年代にデジタル電話交換機の販売でスタートした。

ファーウェイは1996年、固定電話ネットワーク製品で海外から初めての大口契約を香港のハチソン・ワンポアから獲得した。昨年の年次報告書によると、同社の国内と海外の売り上げ比率はほぼ同じになっている。

ファーウェイの売上高の約半分は、世界の通信会社への機器供給によるものだ。売上高でみると、同社はスウェーデンのエリクソン、フィンランドのノキアを上回り、世界最大の通信機器メーカーとなっている。

ファーウェイにとって、近年はスマートフォンが新たな主要事業となっており、競争が激しい同市場で米アップルや韓国サムスン電子<005930.KS>としのぎを削っている。

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