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「お客様は神様」という勘違いを育てているのは、誰かクレーマーを育成(1/2 ページ)

» 2018年12月17日 10時26分 公開
[増沢隆太INSIGHT NOW!]
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 いまだに「お客様は神様」とかいう完全な勘違いが野放しの日本。現場の疲弊は巨大な経済的損失につながっています。人手不足倒産が起こるなど、危機的状況においても、クレーマーを育てる栄養を企業が与え続ける限り、害虫は繁殖していくことでしょう。

(1)不完全システムの現場丸投げ

 コンビニエンスストアの伸長で、コンビニレジの果たせる機能は爆発的に向上しました。生活インフラとしての位置付けから、公供手続きや医療関係まで、さらなるサービス拡大がうたわれています。しかし、どれだけレジ機能が向上したとしても、それを操作するのは時給1000円前後のアルバイトさんです。システムは作って終りではなく、それがしっかり機能するところまでデザインされなければ、それはシステムとして不完全と言わざるを得ません。

 私もコンビニで自賠責保険を購入したことがありますが、即座に買えてただちに加入できるという、大変便利なものでした。しかし対応してくれた外国人アルバイトさんは当然のことながら「自賠責保険」が何であるか分からず、また毎日ボンボン売れるとも思えないサービスについて、いちいち指導もされていないことだったでしょう。

 保険料の支払いと勘違いしたようですが、全く外国人アルバイトさんに非はありません。私は即座に仕組みの分かる人を呼んでいただき、結局手続き自体は全く問題なくスムーズに終えられました。対応してくれた店長さんっぽい人から「お待たせしてすみません」とお詫びされましたが、全く待ってません。そもそもこんなめったに利用者がいなそうな保険商品を店頭で買う以上、絶対トラブるかあるいはものすごい時間がかかるであろうことは当然想像していましたので、私にとって自賠責加入はあっという間で対応してくれたお礼しかありません。

 問題なのは日本語がたどたどしい外国人バイトさんではなく、現場でオペレーションしづらいシステムでしょう。客がバーコードを持っていけばすべてレジが自動的に対応できるまでシステムを高めるような、現実的オペレーション完成前にサービスを始めるチェーンに問題があるのではないでしょうか。

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