「売り場で見かけ、懐かしくなって食べてみました」「好きだったのでまた販売してくれてうれしい」――。山崎製パンが2018年12月26日から19年2月28日の期間限定で発売している「The 平成のヒット商品シリーズ」に対して、消費者からこんな声が寄せられている。
これは、平成最後の年の幕開けに際して、平成にヒットした商品を4つ選び、期間限定でリバイバル発売するもの。当時の味わいをそのままに、パッケージも発売当時のものを再現した。
再発売したのは、「チョコの山」「ヴィエノワーズミルク」「サクリスタン」「ドーワッツ(チョコ&クランチ)」。広報担当者によると、発売以来、2月7日までシリーズ4品合わせて約510万個を出荷しているという。中でもチョコの山は約200万個を出荷するほど好調で、販売期間を5月31日まで延長する。さらに、今回のシリーズが好調だったことから、第2弾として4月1日から5月31日まで「メロンパンの皮焼いちゃいました。」「メロンケーキデニッシュ」「チーズの香」「卵のロールケーキ」の販売も予定している。
The 平成のヒット商品シリーズで復刻された商品を振り返ってみよう。
チョコの山は09年に発売された。一口サイズにカットした食パンの耳をオーブンでザクザクとした食感に焼き上げ、ベルギー産チョコをかけた。チョコをかけた耳を積み上げ、山のように見立てていることから「チョコの山」と名付けられた。発売以降1年間の出荷数量は約1300万個。
ヴィエノワーズミルクは、12年に発売された。表面はサクッと歯切れがよく、中はもっちりとした食感のフランスパンに、北海道産練乳入りクリームをサンドした。発売以降1年間の出荷数量は4200万個。
サクリスタンは13年に発売された。ベルギーアルデンヌ産発酵バター入りのマーガリンを使用したパイに、焦がしバターオイル入りのアーモンド風味ケーキ生地とチョコチップをはさんでひねり、シュガーマーガリンをかけて焼き上げたもの。発売以降1年間の出荷数量は約2100万個。
ドーワッツ(チョコ&クランチ)は14年に発売された。デニッシュ生地を揚げて、ミルクチョコをコーティングし、仕上げにチョコクランチと粉糖をトッピングした。サックリとした食感の生地に加え、サクサクとしたチョコクランチがアクセントになっている。発売以降1年間の出荷数量は約2200万個。
「平成のヒット商品」と打ち出すことで消費者の「懐かしい!」という気持ちをくすぐることができる。さまざまな事情で販売を休止する商品は多いが、マーケティングの切り口を変えれば、“お宝商品”として復活させることができそうだ。
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