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» 2019年02月14日 10時00分 公開

海外子会社のIFRS16適用を! 会計基準をグローバル統一する“最短”手法とは

ついにIFRS16の適用年度となる2019年が到来した。残された期間がわずかな中、作業が山場を迎える企業も多いことだろう。だが、たとえ対応作業を完了しても次の課題が待ち受けている。それが、海外子会社も含めた会計処理のIFRS16への統一だ。

[PR/ITmedia]
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 国際財務報告基準「IFRS(International Financial Reporting Standards、イファース)」の最新基準であるIFRS16号(IFRS16)の強制適用が始まる事業年度の2019年がついに幕を開けた。これまで、その対応に必要な基本知識から、作業に遅れが生じた際のノウハウまで幅広く解説してきた。それらを参考にすることで、対応作業を円滑に完遂できるだろう。

 ただし、IFRS16への対応後も、まだ気を抜くことは許されない。理由は明快だ。企業会計基準委員会(ASBJ)の実務対応報告18号では、「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」において、連結決算手続きでの在外子会社の会計処理の統一を要求している。

 「つまり、IFRS16への適用は国内だけで済む話ではないということです。IFRS16を日本本社に適用したならば、海外子会社もIFRS16に切り替える必要があるわけです」とプロシップのシステム営業本部 海外ビジネス営業部 海外ビジネスGでマネージャーを務める葭葉類氏は説明する。

photo (写真提供:ゲッティイメージズ)

海外子会社のIFRS16対応が遅れている理由

photo プロシップ システム営業本部 海外ビジネス営業部 海外ビジネスGマネージャーの葭葉類氏

 葭葉氏によると、この要求への日本企業の対応は、実態として遅れているという。原因の一つは、すでに海外ではIFRSが適用済みという“誤解”だ。確かにIFRSは05年のEUでの導入を皮切りに、すでに100以上の国と地域で利用されている。だが、タイや台湾など日本企業の進出が多い国では、未上場の企業に自国の会計基準の利用も認めるなど、IFRSを一律に強制適用しているわけではない。

 一方で、より深刻な原因と位置付けるのが、国内での対応作業の遅れにより、海外まで手が回らないという現実だ。海外子会社での適用と一言で言っても、実態は国内と同様の手間暇を要す作業であり、片手間でできるものとは言い難い。国内作業で手いっぱいの企業であれば、その難しさはなおさらだ。

 加えて、海外子会社のIFRS16適用では、経理業務の見直しとシステム対応の双方で厄介な問題が持ち上がる。まず前者で挙げられるのは、現地における国内経理とIFRSの双方に精通したスタッフが不足していることである。

 海外拠点のIFRS16適用にあたっては、現地の経理処理を日本式、さらにIFRS式に読み替える作業が連結決算のためにも必要となる。だが、そのための知識を備えた日本人の経理スタッフが現地に配置されるケースはまれだ。また、日本でもようやく理解が進み始めた中にあって、IFRS16に精通した人材の現地採用も難しい。

 後者で問題となるのが現地システムの決定的な機能不足だ。現地で利用されるシステムは、各国の税制に対応した現地の会計パッケージが多数を占め、IFRS対応までの機能は備えていない。一方で、税制変更もしばしばあるため、固定資産やリース契約の管理はExcelなどを用いつつ人手で行っているケースがほとんどだ。つまり、システム対応にあたっては、それらの機能開発が新たに生じることになる。

各国の固定資産税制の違いに「ProPlus」で対応

 海外子会社にIFRSを適用させるには、こうした国内との違いを加味したうえで、できる限り早期での完了のための策を立案することが求められるが、それが一筋縄でいかないことは明らかだ。

 そうした中、IFRS対応の資産管理ツール「ProPlus」を用い、11年からこの困難な取り組みを支援してきたのがプロシップだ。これまでの支援先は17カ国の119社に上る。

 同社が掲げる基本方針が、「日本本社の主導によるIFRS対応の基本方針の策定と、それを基に開発したERP+ProPlusモデルの現地適用」だ。

 経済活動が国境を越える中、グローバルでの企業活動の可視化のためにERPによる会計/経理業務の統合が急ピッチで進んでいる。その手法はグローバルの共通テンプレートを作成し、各国の状況を踏まえつつ展開して連結させるというものだ。ただし、そこでIFRS対応から取り残されがちだったのが、減価償却手法など各国の税制が異なる部分が多い「固定資産」の領域だ。

 プロシップの提案はIFRSに加え、世界24カ国の税制にも標準対応しているProPlusを、固定資産管理のポイントソリューションとして利用するものである。

 「グローバル対応をうたうERPパッケージの固定資産モジュールの多くは、IFRS対応こそできていれど、各国の固定資産税務についてはカスタマイズが必要なケースがほとんどです。しかし、国ごとにカスタマイズを行うとなれば、それだけイニシャルコストや運用コストがかさんでしまいます。対して、ProPlusを資産管理モジュール代わりに使い、ERPと連携させることで、IFRSと海外のローカル税務の双方への対応を、手間やコストを必要以上にかけずに実現することができます」(葭葉氏)

 また、ProPlusはリース資産管理に関してもグローバル対応(言語、通貨)ができるため、国内外拠点のIFRS16対応をフルカバーできる。

photo グローバルにおける固定資産管理には課題がある

海外子会社にIFRS16を適用するこれだけのメリット

 こうした手法を用いても、海外子会社のIFRS16適用は手間とコストの両面で厄介なことは確かだ。だが、そこで得られるメリットも大きいと葭葉氏は強調する。

 例えば、現地での不正抑止効果だ。実のところ、海外子会社での財務諸表の虚偽記載に頭を悩ませる企業は多い。原因は資産の横流しなどだが、それがひいては経営状況の把握を困難にさせている。だが、IFRS対応を機に資産の管理と運用、モニタリングのルールを策定し、不正の抜け道をふさぐことで、状況を大きく改善することができる。

 また、現地の活動状況のさらなる可視化も可能だ。財務諸表が適切でも、商慣習や税制の違いから、現地の経理処理の確認だけでは、活動内容を掌握するのは到底困難だ。一方で、すでに述べた通り、従来は固定資産やリース契約がシステムで管理されておらず、「現地で何を、何の目的で、どれだけ利用しているのか見当もつかず、何とか把握する方法はないかとの相談がこれまでにも多数寄せられていました」(葭葉氏)。対して、IFRSによる処理方針の統一と、ProPlusによるリースまで含めた固定資産管理の管理を通じて、状況の可視化が格段に前進する。

 加えて、災害対策の強化にも直結する。新興国は洪水などの災害に見舞われるリスクが日本よりも高い。重要な固定資産には財物保険を付保している企業が多いが、固定資産台帳が正しく管理されていないと、被災資産の情報が正確に確認できず、保険金が支払われない可能性がある。ProPlusにより固定資産を厳格に管理し、併せて台帳データのバックアップに万全を期すことで、管理漏れや台帳の喪失に伴う損失リスクは大幅に低減される。

 コミュニケーションのミスに起因する非効率の改善を見込むこともできる。日本の親会社の連結経理担当者が海外子会社に各種会計情報の提供を求めることは珍しい話ではないが、その際には言葉や重要と認識する情報の違い、別システムを利用することによる帳票類のフォーマットの違いのために、情報の確認に何度もやりとりが発生してしまいがちだ。しかし、ProPlusでは、日本から現地情報にいつでもアクセスすることが可能。しかも、多言語に対応しているため、日本から必要な情報を現地スタッフを介すことなく迅速かつ容易に入手できる。

photo IFRS対応の資産管理ツール「ProPlus」のグローバル実績

システム対応の手間とコストの削減、クラウドが鍵に

 対応を進める上で気になるのが、適用作業の具体的な進め方だ。葭葉氏によると、そのプロセスは国内と大きくは変わらない。ただし、押さえるべきポイントも存在するという。

 まず、各拠点の状況把握が第一歩となる。ここでは資産の件数や残高、現在利用中のシステムの機能などに加え、現地作業のために日本人スタッフの数も確認しておく必要がある。「これらの確認項目について、一定の基準で点数化し集計すると、業務やシステムに関する成熟度の評点ができ、システム導入に要する負荷予想がたちます。今後の方針決定を円滑に行うことができます」(葭葉氏)

 次は、確認結果を踏まえた適用方針の検討と決定だが、これは日本本社が責任を持ち、厳格かつ入念に決定する必要がある。方針にあいまいさが残れば国ごとの判断が生じ、統一性が揺るぎかねない。全てを標準化するのは困難だが、国ごとの自由度を認めすぎてしまうとシステム設計が複雑になり、グローバル展開への道のりは遠くなる。

 その後の導入フェーズでは、基本方針を基に業務とシステムに手を加えることとなる。まず業務については、国内での展開と同様、IFRSの意義について周知し、業務の変更に理解を得ることが肝要だ。そのうえで、マニュアルなどを配布することで運用に備える。

 一方のシステムでは、運用管理のコストと手間の削減に向け、国ごとのシステム整備ではなく、クラウドなどによるシステムの集約を葭葉氏は提言する。「理想はグローバルでの1つのシステムの共有です。ただ、バックアップの取得やデータ連携など時間を要する処理は夜間バッチによる実行が一般的ですが、時差の関係で国ごとのビジネスタイムが異なるため、全ての国の運用をワンインスタンスで実現するのは困難です。いくつかのリージョンに分けてシステムを構築することが現実的ですが、それでも数はできる限り抑えるべきです。無論、ProPlusはそうした複数リージョン環境での利用も多くの実績があります」(葭葉氏)

 最後の運用フェーズで大切になるのが継続的な監督だ。そのためにProPlusのリモートアクセス機能を活用するとともに、必要に応じて是正を促すことでガバナンスを確保する。

 葭葉氏は海外子会社のIFRS適用に向けた心得について次のように話す。「従来、海外子会社の経理業務に目を向ける企業はごく少数でした。しかし、実務対応報告18号により会計方針の統一が身近なテーマとなり、その経営におけるメリットは、これまでに説明した通り多岐にわたります。IFRS適用をそのための格好の機会と捉え、経営レベルの高度化につなげる気概が経理スタッフに強く求められています」

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提供:株式会社プロシップ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2019年3月13日