Facebook、仮想通貨事業で2兆円超の追加収益か バークレイズが試算10年前から意欲的だった

» 2019年03月14日 18時47分 公開
[中澤彩奈ITmedia]

 英大手金融機関Barclaysのアナリストであるロス・サンドラー氏の試算によると、Facebookが発行するとうわさされる「Facebook Coin」によって計上される追加収益は2021年までに190億ドル(2兆1222億円相当)に上る可能性があり、控えめにみても仮想通貨事業は30億ドル(3350億円相当)の増益に貢献する見通しだという。米CNBCが報じた。

 同社が運営するメッセンジャーアプリ「WhatsApp」を通し、Facebookユーザーが送金などの取引を行えるFacebook Coinは、変動幅が比較的小さいステーブルコインになるとみられ、米ドルなどの法定通貨に連動する仕様となるという。

 また、サンドラー氏の予測では、Facebook Coin発行当初の使用用途は国内間限りの少額決済や個人間送金に限定されるという。

 現在、同社の個人情報の取り扱い方針を巡り、世界中で同社に対する批判の声が上がっている。そんな中で、広告収入以外で収入源を構築しようとする同社の試みは株主にも快く受け入れられるとみられ、「ましてやそれがユーザーのプライバシーを侵害しないサービスとあればなおさらだ」とサンドラー氏は評価した。

photo Facebook、仮想通貨事業で2兆円超の追加収益か バークレイズが試算(イメージ)

 サンドラー氏によるとFacebookは10年ほど前から独自の決済サービスの開発に意欲的だったという。2010年には「Facebook credits」と呼ばれるデジタル通貨の開発に取り組んでいたものの、コストとの折り合いがつかずプロジェクトは頓挫したようだ。

 Facebookも仮想通貨業界も成長した今、次こそは決済事業を成功させることができるか注目される。

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