それにしても、ナチュラルローソンはなぜゆで卵に着目したのだろうか。
ナチュラルローソンで販売している商品に、味付けをして加熱した鶏のささみを真空パックしたものがある。これは、常温で持ち運びができるので、スポーツ時に手軽にプロテインを摂取できるのがアピールポイントだ。この商品と買い合わせをしている商品をランキング化してみると、4位に味付けたまごが入っていた。
なぜ、筋肉を鍛える人が味付けたまごを購入しているのか。担当者が調べたところ、「アスリートフード」としてゆで卵が注目されていることが判明した。かなりストイックなタイプになると、1日に5個も食べるという。しかも、卵黄には脂質が多く含まれているので、白身だけを食べるお客がいることも分かった。
ただ、ゆで卵は持ち運びがしにくく、常温では保存がしにくいというデメリットがあった。さらに、毎回毎回殻をむくのが面倒だと考えているお客がいるだろうと考えた。こうした背景があって開発されたのがBoiled eggsだった。
「ザバス」などのプロテイン商品を販売している明治の調査によると、粉末タイプやゼリータイプのプロテイン商品の市場規模は年々拡大を続けており、17年には300億円(前年比117%)に達した。同社は「競技者を中心とするスポーツ系運動実施者のご利用のみならず、カラダを引き締めるために運動をするスタイルアップ志向の方々のご利用によるユーザーの裾野の広がりなどを背景に、(プロテイン市場は)年々伸張をしています」と分析している。また、今後も東京五輪などのビッグイベントが控えており、スポーツへの関心がさらに高まることが予想されることから、今後も市場規模は拡大するとみている。
ナチュラルローソンに通うお客は、通常のローソンより店舗の滞在時間が長く、多少価格が高くても本当に価値があると判断すればどんどん購入する傾向があるという。5個で499円というやや強気の価格設定をしたゆで卵は、“筋肉市場”拡大の流れを受けてお客に支持されるだろうか。
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