大手ラーメンチェーンの「一風堂」が、ここ2年で特定の店舗でしか味わえないラーメンを相次いで投入している。限定商品を提供している店舗は北海道から沖縄県まで11店になる(2019年6月末時点)。狙いはどこにあるのだろうか。
一風堂が6月にオープンした新店では店舗限定メニューが提供されている。
6月24日、「一風堂 武石インター店」(千葉市)がオープンした。同店は武石インターチェンジに近く、駐車場を備えた店舗だ。ここでは、「博多式 中華そば」を提供している。この商品は、千葉県で親しまれている「竹岡式ラーメン」を一風堂オリジナルに改良したものだ。スープには千葉県のしょうゆと、自家製チャーシューの煮汁を使っている。麺も千葉県で作られた乾麺を使用している。さらに、自家製豚バラ肉のチャーシューを4枚トッピングしている。一風堂は「千葉ご当地食材と一風堂を融合させた1杯」と位置付ける。
6月27日、一風堂の沖縄県1号店となる「一風堂 沖縄パルコシティ店」(沖縄県浦添市)がオープンした。商業施設「サンエー浦添西海岸パルコシティ」の2階にあるフードホール内に出店した。
同店の限定メニューは「ベジ醤油ラーメン」と「一風堂炊き込みチャーシューおにぎり」だ。限定ラーメンは、動物性食材を使用していないしょうゆスープに、ズッキーニ、パプリカ、ヤングコーンなどの野菜と、ご当地食材のゆし豆腐やゴーヤ、チャンプルーの具材で親しまれている車麩をトッピングしている。限定おにぎりは、沖縄風の炊き込みごはん「じゅーしー」をイメージしており、チャーシューの煮汁を使って炊き込んでいる。また、具材にはキクラゲや野菜などを使用している。国内外問わず、沖縄に来る観光客や沖縄県民に親しんでもらうのが目的だ。
一風堂が店舗限定メニューの提供を始めたのは2017年6月。「川越インター店」(埼玉県川越市)だけで食べられるラーメン「川越とんこつ醤油」を開発した(現在は大宮店でも提供している)。川越市に蔵を構える「松本醤油商店」のしょうゆと、川越産の小松菜を使用している。このメニューは、川越市内のラーメン店としょうゆメーカーが中心となっている「川越醤油ラーメン」プロジェクトへの参加をきっかけに開発したという。
限定メニューを提供し始めた理由について広報担当者は「『地域に根ざした店舗作り』という考え方に基づいています。また、一風堂は日本だけでなく世界中に多店舗展開しているラーメン店ですが、『個店の集合体』という概念のもと各店舗に個性を出すことを心がけています」と回答した。
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