LINEの「クリエイターズスタンプ使い放題」で、スタンプ制作者のビジネスはどう変わる?売上への影響は(1/2 ページ)

» 2019年07月02日 11時38分 公開
[村田朱梨ITmedia]

 LINEはこのほど、メッセージアプリ「LINE」で販売している「クリエイターズスタンプ」が使い放題になる定額制サービス「LINEスタンプ プレミアム」を7月から提供予定であることを明らかにした。月額240円のプランの他、月額120円の学生プラン、年額2400円の年間プランなど、複数のプランを検討しているという。

photo LINE CREATORS MAGAZINEのお知らせより

 しかし、ユーザーの中にはスタンプの販売で一定の収益を上げている人もいる。使い放題サービスの提供は、クリエイターにどのような影響を与えるのだろうか。

使い放題でスタンプ販売はどう変わる?

 LINEによれば、LINEスタンプ プレミアムの提供開始後も、スタンプの販売は継続するという。同社の広報担当者は「スタンプは有料販売が基本。販売に加えて『LINEスタンプ プレミアム』の対象にするかどうかを、クリエイター自身に判断してもらうことになる」と説明する。

photo 「LINEスタンプ プレミアム」の利用イメージ

 クリエイターへの分配金(報酬)は、有料販売とLINEスタンプ プレミアムでそれぞれ用意。有料販売の場合は、従来同様「売上の35%」がクリエイターの取り分となる。一方、LINEスタンプ プレミアムでは、提供しているスタンプセットを利用した人数などに応じて月ごとに分配金を計算する予定だ。2つの売上は合算して送金可能で、最低1000円から受け取れる。送金手数料は、従来通りクリエイター負担となる予定。

photo LINEスタンプ プレミアムの分配金の計算式はLINE Creators Marketの利用規約に明記されている。例えば「スタンプA」を提供しているクリエイターの8月の売上は、「8月のLINEスタンプ プレミアムの売上総額×0.3×(LINEスタンプ プレミアムを使ってスタンプAを送った人の数÷LINEスタンプ プレミアムを使って何かしらのスタンプを送った人の数)」になる。

 LINEスタンプ プレミアムを始める理由について、同社は「日々多くのスタンプが誕生しているが、過去に販売されているスタンプにもスポットが当たる機会を提供したい」と説明。「昔から販売されているスタンプもユーザーに使ってもらいやすくすることで、クリエイター自身にファンがつくような仕組みを提供したい」(LINE)としている。

 現在販売されているクリエイターズスタンプは490万セット以上。使い放題の対象となるのは、発売から180日以上経過し、LINEスタンプ プレミアムに「参加する」が選択されているスタンプのみとなる。初期設定では「参加する」になっているため、対象外にしたいスタンプがあるクリエイターは、管理画面から「参加しない」を選び直す必要がある。

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