最後は銀行員から見て違和感を覚えた部分についてお話しします。細かいネタバレ的な話になるかもしれませんが、ほんの少しのネタバレには目をつぶって、読んでいただきたいです。
主人公など登場人物が携帯電話を普通に使って会話していましたが、これはダメです。
銀行では支店や部署内に個人の携帯電話の持ち込みを禁止しているところが多いです。これには顧客情報保護のためと、システム保護のためという2つの理由があります。
言うまでもなく銀行内部には個人情報が集積されています。預金残高など資産と、融資に関する情報はそれらを必要とする業種から見ればまさに「宝の山」です。
一昔前なら顧客の預金や融資残高を印刷して、あるいはフロッピーディスクで持ち出して、名簿業者などに売る銀行員が残念ながらいました。
時代は変わって現在、こうしたある意味幼稚な不正情報持ち出しをする銀行員はいません。なぜなら厳密に管理され、銀行員が銀行から常に疑われ、監視されているからです。例えば、
ということは銀行員も教育され知っています。
また個人用携帯電話は室内持ち込み禁止ですので、ドラマのように私用会話で堂々と使っていればすぐに怒られます。
また、業務用に携帯電話を銀行員に支給している銀行もあります。これは私用電話を業務に使い、公私の区別がつかなくなることを禁じているからです。
この点からも室内で私用携帯を使っている銀行員は怪しいと疑われます。
これも携帯電話中心の話ですが、例えば銀行のコンピュータ機器に携帯電話をUSBなどで接続した場合、当然顧客情報への不正アクセスが疑われるとともに、最悪銀行全体のシステムにとって危機になるかもしれません。
例えば、情報を盗むなど大それたことではなく、「携帯の充電がなくなりそうだから」といって充電ケーブルをUSB差し込み口に接続した場合、もしもその携帯がウイルスに汚染されていたとしたら、その後起こるトラブルは想像するだけでも恐ろしい、ということです。
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