ドラマでは、不正融資を調査する目的ですが、会社の決算資料をかばんに入れていました。
主人公たちは居酒屋で会っていましたから、その日は帰宅したはずですが、これはいけません。不正とはいえ、顧客情報をかばんに入れて、しかも自宅に持ち帰るのは銀行員としてあるまじき行為です。
ドラマでは正義のためですが、逆にそれこそ不正行為をすることも可能です。
これと同じく、資料が表示されていたところを見ると、会社で使っているノートPCを持ち出して、やはり居酒屋から自宅に持ち帰っています。これもいけないことは上記と全く同じ理由です。
そもそものお話ですが、こうした顧客情報を居酒屋や喫茶店などで堂々と広げてはいけません。店員が注文を取りに来て「じゃあ、同じモノを」などと言っているテーブルには情報が丸出し、見ているこちらがハラハラしてしまいました。
これもネタバレ的な話題になってしまいますが、最終回で情報取り扱いペナルティーの話が出てきます。
主人公を最後まで支えてきた香川照之演じる副支店長が、突然出向させられてしまいました。敵方の副頭取からの陰謀ではありますが、その出向理由が「顧客情報を無断で持ち出したから」でした。
銀行員としては、ドラマ進行として出向は由々しき事態でしたが、出向の理由だけは妙に納得できました。やはり、銀行は守秘義務、顧客情報管理は厳正にあるべきだと思うからです。(加藤隆二)
加藤隆二
バブル期に入社して、以来銀行一筋30年。お金にまつわるさまざまな相談にこたえてきました。時には返せなくなってしまった人からの相談にも、可能な限り親身になって対応してきたつもりです。銀行員として「あなたのために、なにができるか考えます」。最初の挨拶はいつもそう言ってきました。年を重ねた今も、気持ちは変わっていません。銀行員として、読者である「あなたのために」役に立つ文章を書いていきたいと思っています。
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