高島屋は9月1日から、一部店舗で展開する紳士服のオーダーサロン「タカシマヤ スタイルオーダー サロン」で、人工知能(AI)を活用した接客ツール「感性AIソムリエ」を常設展開する。
広報担当者によると、「現在のスーツ市場は縮小傾向にある」という。「団塊世代の退職ラッシュや、職場のカジュアル化などで需要が減りつつあるのが要因」と分析した。一方で、スーツ市場全体を、「既製服」と「オーダー」の2つに大別すると、オーダーでは売り上げが拡大傾向にあり、若年層も多いとのこと。
高島屋では、2017年からタカシマヤ スタイル オーダーサロンを展開。紳士服のパターンオーダーを提案するスタイルで、現在は都市部の5店舗で展開している。担当者によると、生地を選び、体形などに合わせてオーダーする「イージーオーダー」では全体のうち40代以下が25%ほどであるのに対し、パターンオーダーでは50%ほどだという。「パターンオーダーは、選択肢の幅がイージーオーダーより狭まる分、トレンドなどに合わせやすく、若年層に人気なのではないか」と話した。
新たに展開する感性AIソムリエは、文部科学省管轄の産学官連携プログラムの一環として研究・開発されたもの。来店したお客が、タブレット上で求めるイメージや気になる単語を選択し、それに合わせてAIが最適な生地を提案する。お客は提案された生地の中から好みのものを選択し、仕上がりイメージを見ることができる。店舗には生地のサンプルを用意し、実際に見たり触ったりして確認もできる。
感性AIソムリエは、収集したデータを学習することによって、店舗ごとに独自の提案ができるのが特徴だ。担当者によると、「新宿の店舗では若年層が多く、日本橋では年齢層が高め」という特徴があり、それぞれの店舗で最適な提案をタイムリーにできるのが強みだ。
また、「買い物のハードルを下げる」のも狙いの1つだ。「店員から話しかけられるのを気にするお客さまも多い」(担当者)ことから、タブレットを操作するだけで自分好みのスーツを選べるようにすることで、リアル店舗のハードルを下げる。
高島屋の新たな取り組みは、お客にどう受け止められるだろうか。
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