「食べ放題にありがちな『どうせ適当な料理を出すのだろう』というイメージを払拭したいとの思いがある」と、前田氏は定楽屋のポリシーを強調する。
接客面では、お酒を顧客にセルフで注ぎに行かせたりはしない。しっかりとフルサービスで、料理の提供時間もできる限り迅速にする。顧客には制限時間内で目いっぱい楽しんでもらいたいのだという。
また、無料のサービスとして、誕生日・記念日といった“お祝いプレート”の提供も行っている。ただし当日の午後4時までの事前予約が必要だ。
100種類ほどある料理は、9割近くがキッチンでの手作りだ。1番人気の「だし巻き」(4種類)は、オーダーが入ってから1つ1つ丁寧に焼き上げる。その中には明石焼風のようなユニークな味付けの商品もある。1人で2〜3個を食べる人もいるほどの看板料理。
ひき肉をよくこねてつくる「王様つくね」(月見照り焼きなど3種)はサイズも大きく、ハンバーグを食べているかのような錯覚に陥る。
また、「7種の味から選べるやわらか焼鳥」(自家製ネギ塩ダレなど7種)は、コンフィの要領で、最初に鶏肉を油に浸しているので、肉が非常にやわらかく仕上がる。串に刺すのではなく、お皿で提供され、バラエティに富んだ自家製のソースが選べる料理だ。
さらに「自家製唐揚げ」は、独自製法のタレにしっかりと鶏肉を1日漬け込んでいるので、味の深みが増している。
定楽屋はリピーターが主たる顧客なので、これらのような人気のメニューに加えて、飽きられないように旬の食材を使った季節メニューにも力を入れている。
秋のメニューだと「秋刀魚の塩焼き」や「焼きナスチーズ」などといったものが提案されている。19年は不漁だったサンマがリーズナブルに食べられるだけでなく、焼きナスもナスを丸ごと1本使った迫力あるサイズで提供される。
他にも、特製ダレで一晩寝かせた「うずらの味付けたまご」、女性に人気の「チョレギサラダ」、これから冬のシーズンには各種の鍋やおでんもあって、盛りだくさんの内容である。
名古屋金山店では顧客からの要望もあって、名古屋飯のメニューも提供している。「どて煮」「鶏ちゃん焼き」「きしめん」「手羽先」「小倉トースト」といったものだ。
ドリンクも品ぞろえが非常に豊富で、200種類ほどもあるので、どれを飲むか迷ってしまうほどだ。お酒では、レモンを自家製のはちみつに漬け込んだ「はちみつレモンサワー」があるなど、手間ひまかけたメニューが目立つ。
また、氷の代わりにガチガチに凍った冷凍のレモンを入れた「冷凍レモンサワー」(1人1杯限り)は、飲みほした後に追加のサワーが注文可能で、レモンをつぶしながら、徐々に融け出す濃厚なレモン果汁の風味を味わうことができる。同チェーンはレモンサワーを特に推しており、10種類もある。
30種類あるサワー類、4種のウイスキーが選べるハイボール、72種類もそろったカクテルは特に充実しており、お酒の主力をなしている。もちろん、ビール、日本酒、焼酎、ワイン、梅酒などの果実酒、ジン、ウオッカ、テキーラもそろっている。ハイボールなら、超炭酸でウイスキーを割った商品や、メーカーズマークのバーボンを使ったものもある。カクテルでは、女性が飲みやすい自家製のサングリアを提供するなど、お得に感じるメニューも紛れている。
さらに、お酒が飲めない人でも楽しめるようにノンアルコールも50種類を用意している。
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