ラーメン業界最大の店舗数を有する「幸楽苑」。運営会社の幸楽苑ホールディングスは、11月29日と12月6日の2日間、「幸楽苑復活記念! お客様感謝祭 中華そば10円」を開催した。全店で先着100人に、通常440円(税込、以下同)の「中華そば」を10円で提供するものだ。
幸楽苑の既存店売上高(直営店)は、10月が30.7%減(前年同月比)、11月は11.8%減(同)と、台風19号による工場被害の影響で大きく落ち込んだ。このキャンペーンは、幸楽苑が順調に復活しつつあることをアピールするために企画された。
福島県郡山市にある主力の郡山工場が、台風19号による阿武隈川の氾濫により被災。操業停止に追い込まれ、約500店ある全店舗の半数近い約240店で1週間ほどの休業を余儀なくされた。その後は、神奈川県小田原市にある小田原工場から調達することで、店舗は10月20日から順次再開していった。そして、11月4日には郡山工場が復旧。同12日には1カ月ぶりに全店が通常営業に戻った。
幸楽苑は、今期に入ってから既存店の売り上げが4〜8月までは対前年比で伸びていた。9月にその記録は途切れたものの、4.1%減にとどまっていた。今期は好調な状況が続いていただけに、思いもよらない大きな試練に見舞われている。
10月の消費増税以降、外食需要は減退しており、下がり気味の市場で一度失った売り上げを回復するのは、容易なことではない。幸楽苑の復興への取り組みを追った。
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