事業者側がこのマーケットを狙うことには、かなりのメリットがあると考えている。
1つ目は“隙間”を埋めやすいことだ。カウンターやお店の隅にある小さめのテーブルといった隙間スペースに一人客をお通しすることで、席効率がUPする。これは大型店だけではなく、高級寿司店などにも当てはまる。例えば、カウンター10席のお店に複数のグループ客が来店し、ぽつんと1席が空いたとしても無駄にならない。これは、一人客にとってもメリットがある。半年待ち、1年待ちといった予約の取りにくいお店でも、この空き席を狙えば、お店に入れる可能性もあるのだ。
2つ目は、平日の集客アップにつながる可能性があることだ。会社の宴会などは週末に集中しがちであるが、一人客は曜日を選ばない。
3つ目は、一人客がリピーターになりやすいことだ。一人客は、他人が選択したお店ではなく、自分の好みに合わせてお店を選ぶため、嗜好が合えばリピートする可能性が高い。また、カウンターでお店のスタッフと会話してくれれば、お客と深いつながりができるのでリピート率が上がりやすくなる。
4つ目は、高単価を見込めることだ。一人客の中でも、40代の働く女性は可処分所得が高く、本物志向。忙しい日々を過ごしているが、きちんとしたものを食べたいと考えている。そして、お金で時間を買うことも厭わない傾向がある。
5つ目に、こういった一人客はお店のプロモーターになってくれる。発信力・影響力があるアクティブ層の可能性が高く、その人物の背後には大きなマーケットが広がっている。一人で食事していても、お店の情報をSNSでアップすることで、友人やフォロワーとつながっている感覚になる。そのため、孤独感はないのかもしれない。
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