立地、メニュー数、原価率、回転率、利益率――飲食店の経営には、数字やロジックを積み上げて戦略を練る作業が欠かせない。人気になっているチェーン店や、すっかり定着しているが業態の裏側にあるノウハウを分析していく。
皆さまこんにちは。飲食店コンサルティング会社スリーウェルマネジメント代表の三ツ井創太郎です。本連載では、皆さまが日頃なんとなく利用したり、見たりしている飲食店のビジネスモデルやマーケティング戦略を、分かりやすく解説していきます。よろしくお願い致します。
消費増税に伴うポイント還元制度がスタートしたため、キャッシュレス決済に関するニュースを耳にする機会が多くなりました。こうした世の中の流れもあってか、飲食業界でもキャッシュレス決済を導入する店舗が増えてきています。しかし、中にはキャッシュレス決済を導入していない店舗もあります。
皆さんは「こんなに世の中でキャッシュレス決済が話題なのに、なぜこのお店はキャッシュレス決済を導入していないのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか? 今日はこの疑問について考えていきます。
キャッシュレス非対応の外食チェーンとしてよく話題になるのが「サイゼリヤ」です。今回はサイゼリヤのビジネスモデルの分析を通して、飲食店のキャッシュレス決済導入の課題について考えていきます。
低価格のイタリアンファミリーレストランチェーンとして国内1093店舗、海外411店舗を展開している「サイゼリヤ」(2019年8月期)。皆さんも一度はお店を利用されたことがあるのではないでしょうか? なんといってもサイゼリヤの特徴はその安さです。
今回、私も改めて都内のサイゼリヤに行ってみました。訪れたのは吉祥寺駅の近くにある店舗です。メニューを開いてまず感じるのは、やはりその安さです。人気メニューの「ミラノ風ドリア」は今回の消費増税後も299円(税込)のままです。さらに、ランチメニューに関しては9種類ものメニューが500円で提供されています。店舗全体の客単価に関しても、一般的なファミリーレストランチェーンが1000円程度なのに対して、サイゼリヤの客単価は735円と20%以上も安くなっています。
ここでサイゼリヤの2019年8月期の決算資料より、同社のビジネスモデルをひもといていきたいと思います。その前に、ファミリーレストラン業界の売り上げランキングを確認しておきます(各社の売上高に関してはファミリーレストラン事業以外の売上高も含まれています)。
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