日本企業が注視すべき「新リース会計」と、AI-OCRを活用した固定資産計上の「時間削減」

IFRS16と同等のリース資産のオンバランス化が、近い将来、日本企業に義務付けられることになりそうだ。そうなると、経理業務の負担は大幅に増加する。どう対応すべきなのか。プロシップが提供する「ProPlus」は、IFRS16にきめ細かな対応ができる機能をそろえている。また、AIなどの最新技術を活用して固定資産計上の時間削減に貢献する新機能も提供する。

» 2020年03月09日 10時00分 公開
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 2019年1月以降の開始事業年度から強制適用が始まった「国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards、イファース)」の最新基準、IFRS16号(IFRS16)。その対応作業は、2020年が始まった今もなお、多くの企業で進められている。背景にあるのは、当初予想されていた以上に「リース管理」に手間を要するという現実だ。

(画像提供:ゲッティイメージズ)

IFRS16対応は2020年に入っても道半ば?

 そもそもIFRS16では、借り手リース契約のオンバランス化を原則的に求めている。従って、従来はオペレーティングリースとして費用処理していたOA機器や社用車などの動産リース、さらに事務所や店舗などの不動産リースの全てがオンバランス処理の対象となり、管理対象が一気に広がる。特に不動産リースは現場で業務が完結しており、本社経理は支払処理だけを実施しているのが通常であり、全社的な不動産契約の把握は本社経理が片手間でできるものではない。

 加えて、IFRS16における適切な経理処理が極めて厄介なこともある。プロシップのシステム営業本部 執行役員 副本部長の水野恭併氏は「IFRS16対応は、苦労してリースを洗い出してようやく出発点です。その後の日常業務では、減価償却費や支払利息、債務残高を取り崩す仕訳作業が新たに発生し、契約変更や見積もり変更、減損などへの対応も求められます。今なお対応作業が進められているのも、作業負担の大きさを実体験し、一度はExcelでの管理を決めた企業の多くが、あらためてシステム化に着手しているからなのです」と、現状を解説する。

プロシップ システム営業本部 執行役員 副本部長の水野恭併氏

国内でも「リースの資産計上」が不可欠に

 もっとも、こうした苦労が強いられるのは、従来、IFRS適用の上場企業に限られていた。そのため、多くの企業にとってIFRS16対応は「対岸の火事」と捉えられてきた。だが、状況は大きく変わりつつある。

 日本の会計基準を策定する企業会計基準委員会(ASBJ)は19年6月、実務対応報告18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」を公表。そこでは、連結財務諸表作成における在外子会社などの会計処理の取り扱いについて、「同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、親会社及び子会社が採用する会計方針は、原則として統一しなければならない」(連結会計基準17項)こと、さらに「当面の間は『IFRS』ないしは『米国会計基準』に準拠して作成された財務諸表を連結手続き上利用できる」(実務対応報告第18号)ことが示されている。

 「つまり、IFRSの強制適用の対象が、連結対象の海外子会社を持つ上場企業にまで一気に拡大したわけです」(水野氏)

 さらに、ASBJはこれに先立つ19年3月、リース取引の全てを貸借対照表に資産計上する新会計基準の開発で合意。ASBJはかねて「日本基準の国際会計基準への収斂(しゅうれん)」に向け、IFRSと日本基準のコンバージェンスを進めてきた。今回の合意はその一環として、国内リース会計の在り方をIFRSに準拠する形へ見直すことを意味する。

 「近い将来、ASBJにより新リース会計基準の公開草案が公表され、その後の強制適用の結果、IFRS16とのコンバージェンスを図った新リース会計基準があらゆる国内企業に義務付けられると考えられます」(水野氏)

新リース会計基準の適用の見通し

海外では20カ国151法人のシステム対応を支援

 強制適用の開始は25年頃と見込まれているが、前倒しとなる可能性も十分にある。ともあれ、「円滑な制度対応に向け、今から準備を始めても早すぎることはありません」と水野氏は強調する。

 ただし、その道のりは平たんではない。借り手リース契約を一元把握するには、業務の大幅な見直しが必要となり、また、経理業務の負担軽減に向けてシステム側の対応も不可欠だ。本連載で述べてきた通り、オンバランス化の判断基準の明確化も求められる。

 それらの取り組みは企業にとって初めてのことであり、戸惑うことも多いはずだ。IFRS16に精通した人材が国内と比べて不足しがちな海外子会社の対応まで含めるとなおさらだ。

 では、こうした中でIFRS対応をどう進めていけばよいのか。そういった課題を抱える企業の頼れる“右腕”として注目を集めているのが、IFRS16対応の固定資産管理ソリューション「ProPlus」で、豊富な実績を挙げてきたプロシップだ。ProPlusの採用企業はIFRS適用企業の3割に上る。そこでの経験とノウハウを武器に、海外では20の国と地域で151法人の導入を支援してきた(20年1月末時点)。

 プロシップの武器は、システム対応で鍵となる固定資産管理分野のノウハウに基づく機能の充実ぶりだ。

固定資産管理に向けて、充実した機能群

 IFRS適用の“厄介さ”の代表格は、既存の会計処理が置き換わるのではなく、IFRSの会計処理が加わることで、日本基準だけでなく、IFRS基準での作業が新たに必要となることだ。要は、別基準での処理が新たに追加される。

 この作業を効率化するProPlusの機能の1つが、日本やIFRSなどの基準ごとに契約を管理し、併せて各基準の帳簿ごとに残高管理やリース期間を保持できる「複数帳簿対応機能」だ。例えば、営業車などのリース契約を、日本基準ではオフバランスで、IFRS16基準ではオンバランスで自動処理できる。

 それだけでなく、1つの入力から両方の会計基準の仕訳を自動作成する機能、契約ごとにリースの種類を自動判定して登録する機能など、省力化に向けた機能を用意。会計・経理実務の作業量の増加を最小限に抑えることができる。

 一方で、IFRS16のリース管理では、どの部署がリース契約の登録や管理を行うかも課題となりがちだ。本来は本社経理が一手に担うのが望ましいが、人材が限られることから難しい面がある。現場に任せるという手もあるが、知識面から登録ミスの発生が危惧される。

 ProPlusでは、企業の実情に合わせて「集中管理」と「分散管理」の適切な組み合わせでの登録・管理が可能だ。ProPlusのリース資産管理は、顧客の使い方に合わせて、「契約登録」は現場で、専門知識を要する「IFRS項目の登録」は経理で、といった具合に独自に登録フローを構築できる。

 また、英語や中国語にも対応済みで、24カ国の税務基準にも対応している。

集中管理と分散管理の仕組み

紙の見積書をAI-OCRが読み取る

 ProPlusは最新技術を取り込みながら進化を続けている。それは、19年12月に販売を開始した「AI-OCRソリューション」にも端的に表れている。

 プロシップには以前から、多店舗展開をしており出退店の激しい小売業や自社用の建設工事が多いメーカー大手、鉄道会社を中心に、固定資産として計上前の「建設仮勘定」の入力効率化を求める切実な声が寄せられていたという。この要望に応えて商品化した機能が「AI-OCRソリューション」。OCR(光学式文字読み取り)でデジタル化した見積書などの画像データをAIで認識し、適切に集約・整理して自動入力する機能だ。

 「建築物の竣工までには、多数の業者に代金を支払います。その間は建設仮勘定として管理を行いますが、1つの建築物に対して見積書が数百〜数千枚になることもあります。また、見積書は紙ベースであるため、システムへのデータ登録だけでも膨大な労力を要します。共通費は各資産に按分しますが、資産、修繕、共通費などの振り分けには経験やノウハウが必要で、業務の引き継ぎが難しいとの訴えもありました。そうした切実な悩みを一掃し、業務の抜本的な効率化を支援することがAI-OCRソリューションの最大の狙いです」(水野氏)

 なお、AI-OCRソリューションでは、AIが見積書の各明細から固定資産計上に必要なデータに集約するのを支援するが、プロシップは導入にあたり、集約精度を高めるためのAIの事前学習もサポートする。

「AI-OCRソリューション」活用の仕組み

作業時間は従来の3分の1に

 AI-OCRソリューションに関する問い合わせは数多く寄せられており、採用を決定した企業もある。その定量効果は、PoC(概念実証)において、建仮清算業務に要していた年間3000〜4000時間が、800〜1400時間にまで大幅短縮されたことに明確に表れている。

 「定性効果としては、属人性が排されることによる作業品質の均質化が挙げられるほか、書類のデジタル化によって情報の一元化が進み、検索性も向上することで、過去伝票や図面などの参照が容易になり、監査対応も効率化されます」(水野氏)。生産性向上で浮いた時間を、判断や意思決定を伴う業務に充てることの意義については、あらためて多くを語るまでもないだろう。

 「ProPlusでは、制度改正が多く、システム対応の頻度が高い固定資産分野をERPから切り出し、システムの品質確保と高い機能の網羅性を追求しています。AI-OCRソリューションは、そういった高い専門性があってこそのシステムです。当社は今後も“Best of Breed(適材適所の組み合わせ)”の考えのもと、最新技術も積極的に活用し、新制度へのいち早い対応のみならず、業務の効率化に寄与する商品開発を進めていきます」(水野氏)

 「新リース会計」のあらゆる日本企業への適用が現実味を帯びる中、迅速な制度対応だけでなく、業務効率化まで踏み込んだProPlusの利用の裾野は今後、さらに拡大していきそうだ。

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提供:株式会社プロシップ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2020年3月15日