ネスレ日本・高岡社長会見、さよならはオンラインで――退任後は「“プロデューサー”に」!?ネスカフェやキットカット育てる(1/2 ページ)

» 2020年03月10日 17時40分 公開
[ITmedia]

 ネスレ日本(神戸市)は10日に春の事業戦略発表会を開催、3月末付の定年退職を発表している高岡浩三社長・CEOが「最後のあいさつ」に臨んだ。高岡社長は「これまで家庭内にとどまっていた私たちのビジネスを、家庭外にも持っていくことがネスカフェアンバサダー(ファンを通じてコーヒーマシンをオフィスなどに置いてもらうサービス)でできた」と話した。

photo オンライン会見に臨んだネスレ日本の高岡浩三社長(左)と後任の深谷龍彦常務(同社提供)

新型コロナ余波で会見はライブ配信に

 後任である飲料事業本部長の深谷龍彦常務(46)も「外資系でありながら日本に長く根差して事業をしているネスレのユニークなところを、今後も生かしていきたい」と意気込みを表明した。ネスレ日本の生え抜き社員として2010年に社長就任、日本有数のマーケッターとして同社のネスカフェやキットカットブランドなどを育ててきた高岡氏の時代に幕が下りる。

 当初は東京都内の会場で開催を予定していたが、新型コロナウイルスへの懸念から、オンラインのみでのライブ配信会見に形式が変更になった。

 キットカットなどの担当を経て社長に就任した高岡氏。心残りについて聞かれたところ「やり残したことは正直ない。ネスカフェアンバサダーも最終段階に入ったわけではなく、深谷やチームのみんなにもっと磨いてもらいたい」と話した。

photo オンライン会見で感慨にふける高岡社長(ネスレ日本提供)

 同社は近年、ITを使いユーザーの健康問題解決につなげようとする「ネスレウェルネスアンバサダー」などのサービスを展開してきた。高岡氏も「日本という国でやっていく以上、いかに食品企業として健康寿命に貢献できるかがミッションとして避けられない」と指摘した。

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