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» 2020年06月22日 10時00分 公開

「全員IT人材」で会社はこう変わる!:欲しいツールは現場が知っている――これからの企業が採るべきIT経営戦略とは?

クラウドの普及に伴い、社員とITツールの関係性は変化しつつある。これまではIT部門からITツールが与えられるのを待つ立場だった現場が、自ら必要なシステムを生み出すムーブメントが起きているのだ。本記事ではサイボウズが提供する「kintone」の企業導入事例をもとに、これからの企業が採るべきIT経営戦略を探る。

[PR/ITmedia]
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現場で必要なITツールは現場が一番知っている

 利便性の高いクラウドITツールが次々と登場し、ビジネスに幅広く利用されている昨今。働き方改革の名のもと、生産性の向上や業務効率化を目指して、“現場主導”のツール導入はますます加速している。

 こうしたトレンドを背景に広く支持されているのが、サイボウズのクラウド業務システム「kintone」だ。kintoneは業種や業務内容、事業規模に問わず利用されており、導入企業は毎月400社以上、累計で1万5000社にのぼる。直接部門・間接部門問わず、業務に求められる機能をアプリ(※)として必要な数だけ追加できる汎用性の高さが、支持されている理由の1つだ(※ここで指す「アプリ」とはkintoneに作ることのできる業務システムの名前)。

 また、「現場で使うアプリは現場で開発する」というムーブメントを後押ししているのが、kintoneの使いやすさだ。「専門的な知識を必要とせずに、ニーズに合わせて業務アプリを現場が自由にカスタマイズできるのが大きな特長です」とサイボウズの山田氏は語る。

サイボウズ営業戦略部 兼 事業戦略室の山田明日香氏

 半纏や浴衣などの祭用品を取り扱う京屋染物店の例を紹介しよう。同社は販売管理アプリで見積・請求の管理や帳票作成を行っているが、アプリを帳票出力サービスと連携し、kintoneのデータをPDFや紙として出力できるようにカスタマイズ。別で見積・請求書を作成する手間をなくし、案件にひもづけた各種書類の提出履歴なども管理できるようにした。

 現在は、顧客台帳・受注管理・販売管理・見積書作成などの業務を中心に、計13個のkintoneアプリを活用。2019年に創業100年を迎えた老舗だが、kintone導入後の繁忙期の売上は例年の1.5倍となり、創業以来最高の売上を達成したという。

京屋染物店の活用事例。kintoneの導入により、部署をまたいだ工程管理が可能になった

 「特に現場の業務は日々変化するため、業務システムの改善にIT部門のリソースを回せない現状があります。そこで、現場自らがkintoneを導入・活用し、業務を改善することで、スピーディーな改革を進めています」(山田氏)

 現場に業務改善のアイデアがあっても、高度なITスキルを求められるようでは、実行できる人が限られてしまう。マクロやAccessを使うにもある程度の知識が必要だ。しかし、kintoneはアプリで簡単に仕組みを構築しやすい設計になっているため、Excelシートを扱う程度のリテラシーでも取り入れやすい。

 「最初は部門ごとに始める場合が多く、問い合わせもIT部門以外の人からが8割を占めます」(山田氏)。最低5ユーザーから契約できることから部門単位で導入しやすく、スモールスタートにも適している。

 また、従来のシステムでは、現場の要望やフィードバックをすぐに機能に反映できないジレンマもあった。例えば、某百貨店ではIT部門が社内システムを開発していた。担当者は現場からリクエストがあがるたびに、現場の話を聞きに行き、部門まで持ち帰って開発していたという。

 ところが、kintoneがあれば、現場とIT部門の人間が同じ画面を見ながらシステムを改善できてしまう。ITリテラシーがない現場との間でも、kintoneが“共通言語”となり会話が成り立つようになった。「kintoneがあれば、お互いのイメージをすり合わせながら、その場でも取りあえず動くものが作れます。IT部門にとっても、現場の業務への理解が進み、システムの形もイメージしやすくなります」(山田氏)

kintoneではプリセットされたパーツをドラッグ&ドロップしていくだけで業務アプリを簡単に作り出せる

 打ち合わせの場でデザイナーがサッとデザインを描き、クライアントとイメージを共有する――iPadとApple Pencilの登場がデザイン業界に“iPad革命”を引き起こしたように、アプリケーション開発の現場でも「kintone革命」が起き始めているのだ。

 ITによってビジネス環境の変化は加速しており、改修に時間とコストをかける従来のシステム構築は陳腐化しやすい。その点、現場の要望をすぐに反映できるkintoneが重宝されるのは至極当然の話だろう。

全従業員のIT人材化を目指す星野リゾート

 ただし、現場主導のIT利用は、個々の最適化が進む半面、他部門または他のサービスと連携しづらく、属人的ないわゆる「サイロ化」に陥りやすい。そこで、「システム構築は現場の業務を知る人間がシステムを理解した上で作るべき」という方針でIT投資を行いつつ、得られた知見を積極的に全社展開することで成長を続けている星野リゾートの例がヒントになる。

国内外でホテルや旅館を運営する星野リゾート(画像は星のや軽井沢)

  星野リゾートは国内外42拠点のホテルや温泉旅館を展開する運営会社だ。事業が急伸し、新しく海外マーケット用の決済システムが必要になった際、IT部門はわずか3カ月でのサービス開発を求められた。

 当時の開発担当者は、決済システムの開発工数として、開発着手から実装までにだいたい3カ月かかると答えたが、事業担当者はリリーススケジュールまでの期間として受け取ってしまっていたという。3カ月後、ようやく開発着手できる準備が整ったときに、リリースできない状態であることが経営陣も巻き込んで大問題となり、3カ月でのシステムリリースが必達となった。しかし、要件を整理していくと、フルスクラッチではとても3カ月では不可能であることも判明した。IT部門は時間のかかるスクラッチ案をバッサリ諦め、kitnoneでの開発に切り替えることで3カ月でのリリースに成功。予約数が約9倍になるという事業効果にも貢献した。

 「kintoneの部分はシステム会社に依頼するのではなく、業務を把握しているIT部門自ら作成したことも開発期間を短縮できた理由の1つとして挙げていただいています」(山田氏)

 星野リゾートでは2013年からkintoneを導入しており、この決済システムをはじめ、800ものアプリを社内で作っている。施設の魅力作りやサービス改善を現場自ら実施することを推進している同社は、IT部門においても「現場の課題は現場でやるべき」というスタンスだ。そのため、アプリ作りの制約も設けていない。

 同社IT部門の久本英司氏は、「世界の大手ホテル運営会社は、数百人ものIT人材を有している。現場の力を磨いてきた星野リゾートにおいては、全従業員がIT人材化していくのが強い企業になる方法だ。そのためにはITにはイノベーションを推進させるための自由さと、自由さを支える安心・安全な仕組作りが重要になる」と語っている。

 「シャドーIT」という言葉に代表されるような、IT部門が現場主導のツール導入を敬遠することはよくあるが、それはもはや過去のものとなろうとしている。むしろ、「課題は自分でアプリを作って解決すればいい」と考えられる環境を実現するためにこそ、IT部門は必要となる。現場の改善にとどまらない「企業IT戦略」として、kintoneは重要なファクターを占めている。

ITへの投資が企業の生存戦略として重要

 企業の生存戦略として、今後ますますIT投資が重要になることは確実だ。ただし、IT部門だけが奔走するIT投資はもう古い。既存のシステム開発はリソースの制約という過去のIT環境に依る部分が多く、目まぐるしく変化する現場のニーズに対応できなくなりつつある。

 また、こうしたトレンドが加速すれば「将来的にはIT部門の役割も変化していく」と山田氏は分析する。これまでITは専門性の高い分野だったが、kintoneのようなツールが普及することでハードルが下がっている。今後はプログラミングが得意な人材ではなく、現場が何を欲しているかヒアリングする能力や、社内全体を見通してプラットフォームを整備していくマクロな視点などがIT部門に求められるようになる可能性が高い。

 経営者のITに対する意識改革も重要だ。社内でどのようにITを活用していくのか、その指針を定め、ITにかける投資の判断もしていく必要がある。経営戦略の中にITを位置付けていくことが必須となるだろう。クラウドの普及によって現場が自発的にITツールを活用する今だからこそ、事業部門、IT部門、そして経営者が三位一体となり、IT戦略を考えるべき時代に差しかかってきているのだ。

セミナー「IT部門から始まる業務改革セミナー〜クラウド時代のIT部門はどうあるべきか〜」

サイボウズは、IT部門向けのセミナーを複数日程で開催しています。アフターコロナ時代のIT部門のあり方についても解説中。詳しくはセミナーページの内容をご確認ください。

https://kintone.cybozu.co.jp/jp/josys_seminar/

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IT部門向け冊子〜京王グループ・星野リゾートの事例から学ぶ〜

AIやRPA、IoTなどへの期待が高まる中で、深刻なIT人材不足問題が顕在化している。現状の少ないリソースの中でビジネスに貢献していくために、“これから”のIT部門はどうあるべきだろうか…


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提供:サイボウズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2020年8月17日

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