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» 2020年05月14日 13時05分 公開

専門家のイロメガネ:あなたの会社がZoomではなくTeamsを使っている理由 (1/3)

「Zoom飲み」といった言葉をSNSでも度々見かけるほど、ごく普通に使われる、ビデオ会議ツールのスタンダードになってきたZoom。ところがついに自社にもWeb会議ツールが導入されると思ったら、ZoomではなくSkypeやTeamsだった――。その理由には、マイクロソフトのビジネスモデル戦略があった。

[宇山裕,ITmedia]

 現在、新型コロナウイルスの影響で、多くの企業が在宅勤務を推進している。このリモートワーク特需において、Web会議システムのZoomは最も有名になったサービスだろう。

 先日はセキュリティに問題があったとして大きく報じられ、利用を控える企業が相次ぐというトラブルにも見舞われたが、すでにWeb会議システムの代名詞になりつつある。仕事での利用に限らず、「Zoom飲み」といった言葉をSNSでも度々見かけるほど、ごく普通に使われる、ビデオ会議ツールのスタンダードになってきた。

日本でもビデオ会議ツールの代名詞になってきた、Zoom

 PCやモバイル端末で手軽にビデオ会議ができるZoomは非常に便利で、利用者の急増もうなずける。しかし、そんな世間の声とは裏腹に、自分の周りでZoomが使われていない、勤務先でも導入されていない、と感じる人も一定数いるのではないだろうか。

 1日の会議参加者数が3億人を越えたといわれるZoomが、なぜあなたの周りで使われていないのか。そこにはZoomが便利かどうか、といった話とはまったく異なる事情が影響しているかもしれない。

 長年、大手IT企業で法人営業に従事してきた筆者の経験から、その理由を考えてみたい。

マイクロソフトのお家芸「バンドルプラン」による囲い込み戦略

 ついに自社にもWeb会議ツールが導入されると思ったら、ZoomではなくSkypeやTeamsだった――。

 フリーランスの人で、取引先の大手企業から商談のツールとしてSkypeやTeamsを提案され、Zoomがいいといったのだけど、相手企業側のセキュリティポリシーで使えなかった、などの経験した人もいるだろう。記事や話題の量に比べて、Skypeを使っている企業が多いのはなぜだろう。

 Zoomビデオコミュニケーションズは、2011年、シスコシステムズのビデオ会議システムWebExの開発担当副社長だったエリック・ヤン氏が創業し、現在1日のZoom利用者数は新型コロナの影響で、1年前の30倍に増えて3億人になるという。

両社が公表している数値によると、1日あたりのアクティブユーザー数(DAU)は、Zoomが3億人に達した。ただし、Teamsが有料会員のみをカウントしているのに対し、Zoomは有料・無料の両方を含んでカウントしている

 一方のSkypeは、もともとWeb会議のスタンダードツールだった。旧スカイプ・テクノロジーズ社が運営していたが、11年にマイクロソフトに買収された。現在はマイクロソフトの一部門であり、サービス自体も法人向けにMicrosoft Office 365のアプリの1つとして提供されている。

 実はSkype for Businessは21年7月31日にサービスを終了し、後継サービスであるMicrosoft Teamsに移行する予定だ。そのため現在新規に提供されているのは、SkypeではなくMicrosoft Teamsが正確である。

 Skype、あるいはMicrosoft Teamsが企業で導入されている理由については、上述のMicrosoft Office 365の1アプリとして提供されていることが重要なポイントだ。つまり、WordやExcel、PowerPointといった仕事で必須のツールとセットで販売されているのだ。このようなセット販売をバンドルプランと呼ぶ。

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